第41話 危機への準備
冬の寒さが京都を包み込み、緊張感が町全体に広がっていた。
信長が京を離れ、宗則が京の防衛を任されることとなり、宗則と残された兵たちは一丸となって迎え撃つための準備を進めていた。
宗則は早速、防衛の計画を具体的に実施するために動き出した。
彼は冷静に状況を把握し、迅速に命令を出していった。
まず、城壁の防御を強化し、飛び道具を配置するための拠点を設置する。
「本圀寺が防衛拠点となる。寺壁を強化し、中庭には攻撃側に不利な地形を作り出せ。飛び道具を配置し、敵の動きを封じる準備を進めよう。」
宗則の声が凛として響き渡る。
兵士たちは速やかに動き出し、寺壁の補強や中庭の配置を整えた。冬の寒さが増す中、冷え込む夜を利用した戦術も計画されていた。
義昭は、自らの職務を全うする決意だけは胸に抱いていたが、何をするでもなく、ただただ純粋な目を輝かせながら宗則にまとわりついていた。
「宗則、この京の行く末はお前に託す。私は御父殿の信頼を裏切らないよう、お前を見守り、支えるつもりだ。」
「はい、義昭様。共に京を守り抜きましょう。」
宗則は言葉とは裏腹に諦念のため息を飲み込んだ。
宗則は市中の巡回兵を増やし、敵が侵入する経路を完全に封鎖するよう指示を出した。
陰陽道の力を利用し、予測と直感を駆使して防御の強化を図る。
「夜の巡回を強化し、敵の動きを確実に把握しよう。私を信じろ、我々が京を守り抜くのだ。」
宗則の指示に従い、兵士たちは市中を巡回し、厳しい目を光らせた。
寒さが鋭く肌を刺す夜、宗則は星空を見上げながら冷静に考え込んでいた。
自らの計略が成功すれば、京の平和が守られるという使命感が彼の心を強く打った。
「信長様、義昭様のお力を借りながら、戦乱の世を生き抜き、平和な世の到来を願うため、全力を尽くします。」
宗則の心には強い覚悟が宿っていた。
三好三人衆の陣営にて、彼らは義昭を打倒する決意を固めていた。
彼らは義昭が幕府の将軍としての地位を失墜させ、この京の支配権を奪い返す計画を練っていた。
「義昭など、ただの操り人形に過ぎぬ。信長の庇護を受けているが、我々の力で打倒する。しかし、油断は禁物だ。」
三好長逸が冷静に話す。
「信長の軍が離れる隙を狙うのだ。三好家の名誉と威信を取り戻そう。」
三好康長が力強く言い、岩成友通も黙って頷く。
三好三人衆の目は鋭く、彼らの決意は揺るぎないものとなっていた。
寒さが増す夜、宗則と義昭、そして兵士たちは最終調整を行い、防衛の準備を完了させた。
彼らの決意と覚悟が一体となり、京を
守り抜くための準備は整った。
「戦乱の世を生き抜き、平和な世の到来を願う。信長様と義昭様のお力添えを受け、全力を尽くすのだ。」
宗則は星空を見上げながら、自らの決意を再確認した。
彼らの運命は、次なる試練に直面することでさらに大きく動き出す。
冷たい風が吹き抜ける夜、宗則と義昭、兵士たちは京を守り抜くための強い決意を胸に、動き始めていた。
続く
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