第22話 共に歩む道
尾張の国、清洲城。
宗則は、信長の前に跪いていた。
信長は、宗則を鋭い眼光で見据えていた。
「…そなたが、東雲 宗則か…」
「…はっ」
宗則は、緊張しながら答えた。
「…白雲斎の弟子と聞いておる。知略に長けた男だと…」
「…師匠の教えを、少しばかり…」
宗則は、謙遜した。
「…良い。わしは、そなたのような、才のある男を求めていた」
信長は、宗則に満足そうに頷いた。
「…権六!」
信長は、背後に控えていた屈強な武将を呼び出した。
「…はっ!」
柴田勝家は、信長の前に進み出た。
「…宗則を、そなたの家臣に加えよ」
信長は、勝家に命じた。
「…宗則、そなたは、権六の下で、その知略を活かせ」
「…はっ! ありがたく、お受けいたします!」
宗則は、信長と勝家に深く頭を下げた。
こうして、宗則は柴田家の家臣となった。
信長は、宗則を自らの直属の家臣とするのではなく、智将の少ない柴田家に配属することで、彼の才能を最大限に活かそうと考えたのだ。
信長は、織田家を一層強大にするため、適材適所を重視し、宗則のような知略に長けた人物を巧みに活用しようとしていた。
勝家は、信長からの信頼が厚い、勇猛果敢な武将だった。
しかし、彼は武勇には優れていたものの、知略には疎かった。そのため、宗則のような知略に長けた家臣を必要としていたのだ。
宗則は、信長の期待に応え、柴田家の屋敷に移り住んだ。
「…宗則、そなたには、わしの軍師として、働いてもらう」
勝家は、宗則に言った。
「…はっ! 全力を尽くします!」
宗則は、勝家の言葉に力強く答えた。
宗則は、柴田家の屋敷に移り住み、勝家の軍師として働き始めた。
ある日、宗則は、柴田家の道場で一人の若武者と出会った。
若武者は、宗則よりも一回りほど大きく、筋骨隆々とした体格をしていた。
彼は真剣な表情で木刀を振るっていた。その姿は、勇猛果敢で、見る者を圧倒する迫力があった。
「…あなたは…?」
宗則は、若武者に声をかけた。
「…柴田 隼人だ。勝家様の甥である」
若武者は、木刀を振り下ろすのを止め、宗則に鋭い視線を向けた。
「…東雲 宗則と申します。柴田様の軍師として仕えることになりました」
宗則は、丁寧に頭を下げた。
「…軍師…か」
隼人は、宗則を興味深そうに見つめた。
「…わしは、武芸は得意だが、知略は苦手だ。そなたの知恵を貸してほしい」
隼人は、宗則に言った。
「…もちろんです。私にできることがあれば、何でもします」
宗則は、隼人の言葉に笑顔で答えた。
宗則は、隼人の真っ直ぐな性格に好感を抱いた。
二人はすぐに意気投合し、友情を育んでいった。
宗則は、信長から与えられた新たな役割に、心を新たにして取り組んでいた。
織田家に仕官するという目標に向けて、彼の道は一歩一歩進んでいった。
(続く)
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