第2話 映画「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」
映画 『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』
出演:
髙石あかり、伊澤彩織、水石亜飛夢、中井友望、飛永 翼(ラバーガール)、大谷主水、かいばしら、カルマ、Mr.バニー、前田敦子、池松壮亮
監督・脚本:阪元裕吾
アクション監督:園村健介
あらすじと概要
阪元裕吾監督による青春アクションエンタテインメント「ベイビーわるきゅーれ」シリーズの第3弾。殺し屋女子2人組の日常とお仕事を描く。
殺し屋協会に所属するプロの殺し屋コンビ、杉本ちさとと深川まひろは、出張先の宮崎県で任務をさっさと片付け、宮崎でバカンスを楽しむだけ!と浮かれ気分。加えて、なんとその日はまひろの誕生日であることを思い出すちさと。やばい、誕生日プレゼントを用意する時間がない。
任務はチンピラ一人を殺す簡単なお仕事。しかし、お仕事現場で同じターゲットを狙う一匹狼の殺し屋・冬村かえでと鉢合わせしてしまう。
まひろとかえでのバトルが始まり、ターゲットは逃亡してしまう。
殺し屋協会から冬村かえでの処分を命じられ、そりの合わない先輩殺し屋・入鹿みなみらと行動を共にすることに。
果たして、ちさととまひろは、最強の殺し屋・冬村かえでを倒すことができるのか!
評価 ★★★★★ 傑作!見てくれよと叫ぶレベル
深川まひろを演じる伊澤彩織と冬村かえでを演じる池松壮亮のキレッキレのアクションを堪能できる。池松壮亮はマジでヤバい。道端で出会ったら、ダッシュで逃げようと思った。
ネタバレありの感想
『ベイビーわるきゅーれ』という作品のコンセプトを楽しむなら1作目と2作目を見た方が良い。3作目ということで、コンセプトの縛りも緩くなって、やりたいことできている感がある。
もちろん、いつもの2人の掛け合いを楽しむのも良い。
ゲストの入鹿みなみ役(前田敦子)と綾瀬りく(大谷主水)の2人組のキャラも良い。
ファームの殺し屋No1笠松(木部哲)もいい。スタントをやっている人なので、アクションのホンモノ感が凄い。
ただ、何か一つを語るとすれば敵役である最強の殺し屋冬村かえでだろう。
コミュ障で社会に居場所のない青年。150人殺しの達成を目標にストイックに黙々と殺しのスキルを磨く。
服装から何から分かりやすいカッコよさがないからこそカッコいい。
冷徹な殺人マシーンでもなければ、狂気のサイコパスでもない。
「俺たち」が突き抜けてしまうと生まれてしまう怪物。
周囲とはなじめない、社会は助けてくれない、信念もなければ明るい未来もない。
ただ目の前の目標を実現すれば、もしかしたら幸せになれるかもしれないという淡い希望にすがる。
そこに現代のリアルを感じる。殺しとはメタファーであり、カリカチュアである。
まー上手く言葉にできないな。「冬村かえで」って何だろうと考えてしまうことこそ本作の最大の収穫かもしれない。
誰が言ったか「仲間が一人もできなかった世界線のルフィ」という評が秀逸。「命がもったいない!」「仲間になろう!」というかえでのセリフ本人はいたって真面目、観客は笑うしかない。あの場面でこのセリフを言わせる脚本の邪悪さが気持ちいい。
さて、今回のテーマは「アクション映画に必要なのはアクションだ」ということ。
アクション映画は、アクションで魅せればそれでいいのです。
さらにそこに一つ要素を加えれば、傑作の出来上がり
「ジョン・ウィック」然り。ジョン・ウィックの場合は、外連味たっぷりの世界観ですね。「ベイビーわるきゅーれ」ならちさととまひろの掛け合いが生む空気感。
何が言いたいのか
まず、アクションがダメなら、他の要素をどうしようとダメ
逆にアクションさえ満足いく物であれば、あとは自分を信じて突き進めばいい。
バランスなんていらないし、下手に要素を盛り付ける必要もなし。
作品のコアとなる「一つ要素」に全力投球すればいい。
逆にバランスの悪さや、要素の欠如が作品をエッジが効いたものにしてくれる。
シオリさんは小説家なんで、どうしても脚本至上主義になりがちである。
アクション性というものは苦手だ。
ただアクションというのは、圧倒的な武器だ。
もし漫画やアニメ、実写などでアクションに自信があるなら、それを信じて磨き上げるべきだ。
アクション主軸のものつくりと脚本主軸のものつくりは、混ぜるな危険になることも多い。
アクションで評価されている作品といえば、アニメ版「NARUTO」、「呪術廻戦」、「ダンダダン」など。
映画「必殺III」のクライマックス、真砂屋の大殺陣。
最後にこんな作品も見てみようのコーナー
映画『ピストルオペラ』 監督・鈴木清順 主演・江角マキコ
殺し屋組織「ギルド」のNO.3である皆月美有樹が、殺し屋番付にのる他の殺し屋と戦う。ワケの分からない映画で万人にはお奨めしないが、絶対に一度は見ておいた方がいい。刺さる人間には刺さると思うので。
漫画『デストロ246』『デストロ016』作・高橋慶太郎。『月刊サンデージェネックス』連載。
『デストロ246』は女子高生の殺し屋同士の戦いを描くガンアクション漫画。
『デストロ016』はその前日譚。
漫画『trash.』(トラッシュ) 山本賢治原作、D.P作画。
『ヤングチャンピオン烈』連載。私立竜胆学園に通う「石川るしあ」と「白土マイン」は新宿歌舞伎町を根城とし、暴力団・関東岩志組六代目組長の「許斐美能子」に雇われる殺し屋コンビ「バレット&フランチェスカ」だった。
女子高生殺し屋コンビものの一作。ゴア表現キツメ。万人にはお奨めしない。
アニメ『リコリス・リコイル』A-1 Pictures制作
アサウラのストーリー原案によるオリジナル作品
犯罪を未然に防ぎ、人知れず平穏な日々をもたらす秘密組織の支部である和カフェ喫茶リコリコの店員で、その秘密組織のエージェントであるリコリスとしての顔を持つ二人の少女が様々な事件に立ち向かう姿を描く。
健全作品。万人にお薦め。
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