カニ味噌は、石橋としての新しい生活を始めてから、少しずつ政治の世界に慣れていった。彼は、秘書たちの指示に従い、会議や打ち合わせに参加する日々を送っていたが、心の中には常に十郎への思いがあった。十郎と一緒に見たテレビで石橋の顔を知っていたし、彼が石橋の増税政策について愚痴をこぼす姿も何度も目にしていた。

その夜、カニ味噌は自宅に戻ると、十郎の夢を見た。彼は、カニ味噌のことを心配しているようだった。カニ味噌は、十郎に近づきたかったが、石橋の体ではどうすることもできなかった。彼は、十郎の目を見つめながら、心の中で「ごめん、十郎。今はまだ会えないけれど、必ず戻るから」と思った。

カニ味噌は、石橋としての新しい生活を受け入れ、動物たちのために戦うことを決意した。彼は、十郎との再会を夢見ながら、石橋の名を借りて新しい未来を切り開くために、全力を尽くすことにしたのだった。