第5話 新たな挑戦

カニ味噌は、石橋としての生活に少しずつ慣れていった。また動物たちの間には、ある種のテレパシーのようなものが存在し、彼はその力を使えたことに気づいた。石橋の飼い猫であるミケ姐や、猫の秘密結社NNN(言わずと知れたニャンニャンネットワーク、そう猫界の秘密結社である)世界中に支部があり出来ないことなどあんまり無い。

大親友の近所の犬ポチ、そしてカラスの勘九郎。彼らに何度も念を送ってみた。思った通り心の中にすぐに返答が返って来た最初はポチだった。そういった力や秘書たちの助けを借りながら、日々の業務をこなしていく中で、彼は政治の世界の複雑さを学んでいった。

特に、動物たちの権利を守るための政策を進めることに情熱を注いでいた。


ある日、カニ味噌は「動物福祉法案」の草案を作成するための会議を開くことにした。彼は、保護猫犬を受け入れた人への減税や、ペット可賃貸の推進、ペットを飼う人への減税、殺処分ゼロ化のための動物教育機関の設置、猫犬アレルギーの人のための専門医療研究所の設立、動物の再就職の斡旋(訓練を受けた保護猫犬に人間との触れ合いの機会を推進、などなど、また動物虐待に対する厳しい罰則例えば猫や犬を捨てると愛媛の青島に島流しとかを盛り込むことを目指していた。秘書たちは最初は驚いて現代の「生類憐みの令」と笑いながら呼んでいたが、次第にカニ味噌の情熱に心を動かされていった。


「私たちの社会には、動物たちもまた、幸せに生きる権利があります。私たちの手で、彼らを守り、支える新しい法律を作りましょう!」カニ味噌は、国会での演説を通じて国民に向けて自分の思いを伝えることにした。


演説の準備を進める中で、カニ味噌はミケと心を通わせた。ミケ姐は、石橋の生活や政治の世界についての情報をカニ味噌に伝え、彼がどのように行動すれば良いかをアドバイスしてくれた。NNNのメンバーも、カニ味噌に必要な情報を提供し、彼の政策をサポートするために動き出した。


「石橋の周りには、彼を操ろうとする者たちがいる。気をつけて、彼の本当の意図を見抜のよ」とミケ姐が言った。カニ味噌は、その言葉を胸に刻み、石橋の体を借りている自分がどのように行動すべきかを日々考えた。

数週間後、カニ味噌はついに「動物福祉法案」の提出を決定した。彼は、国会での演説を通じて、国民に向けて自分の思いを伝えることにした。演説の日、カニ味噌は緊張しながらも、心の中で「これが動物たちのための第一歩だ」と自分に言い聞かせた。

国会の壇上に立ったカニ味噌は、国民に向けて力強く語り始めた。「私たちの社会には、動物たちも幸せに生きる権利があります。私たちの手で、彼らを守り、支える新しい法律を作りましょう!」


カニ味噌は、動物たちのために戦う決意を新たにし、石橋としての役割を果たすことに全力を尽くすことを誓った。

その瞬間、カニ味噌は自分が石橋として生きる意味を再確認した。彼は、愛する十郎のためにも、動物たちのためにも、全力でこの新しい人生を歩んでいくことを決意したのだった。

演説が終わると、カニ味噌は秘書たちからの拍手に包まれた。彼は、ミケやNNN、ポチ、勘九郎の力を借りて、政治の世界や石橋そのものを学びながら、動物たちのために新しい未来を切り開くために、全力を尽くすことを誓った。彼の心には、動物たちのために戦うという強い意志が宿っていた。

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