第4話
政略結婚なんて、お見合いのようなものだ。
御堂家。
有名な和菓子メーカーであるその家は、この頃別のライバル社の出現によって急激にその売上を下げ、昔から付き合いのあり、神崎財閥の当主一族である神崎家が経済支援をすることになった。
神崎家の一人娘である私は、昔からこの家を継ぐため英才教育を受けてきたが、何をやっても上手くいかず、家の会社を継ぐのが億劫だった。
だから婿養子が欲しいと、私の方からお父様にずっと前からお願いしていたのだ。お父様は御堂家に手を貸す代わりに御堂家の子息を寄越すように言った。
会合の日。
化粧をして、お父様の元へ行く。使用人や両親は心苦しそうにしていたが、私は楽しみだった。
そりゃあ会ったことない人と結婚なんて普通は嫌だろうけど、私は前々から決めていたことだし、写真で見た彼は優しそうでかっこよかったから、これから仲良くなればいいと思っていた。
実物で見るその人は、写真とはちょっと印象が違った。
じっと見つめて顔を合わせようとするが、彼は私と目を合わせようとしない。虚空を見つめて、黙って座っていた。
両親同士が話を進めて、たまに私も喋る。
私達三人はそれなりに話が進んだが、康之さんは一人、つまらなそうにしていた。
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