第5話
◇
「…西地区のラブホ街のコンビニにいるイケメン? 何その具体的な情報」
仕事の休憩時間。この前のことを思い出しながら同僚のアリサに相談すると、彼女はケラケラとメイクの濃い顔で笑った。
「ちゃんと聞いてよ。ほんとにかっこよかったんだから。また会いたいなぁ」
「そんなとこにいるの、普通に考えたらアンタと同じで女とヤってた奴でしょ……ってか、アンタ彼氏どうしたのよ」
「んー? ああ、この前別れたよ」
前々から微妙だな、と思っていたのに加え、コンビニにいた彼を見てしまってからいよいよマサくんに魅力を感じなくなってしまった。
「あっちもなんか他に女いたっぽかったから、すんなり別れられた」
「ふーん。一か月前なんか、こっちが嫌になるくらい惚気話聞かされたって言うのに…ほんと飽き性ね、アンタ」
アリサは呆れた顔で私を見た。
本当にそうだ。私は昔から何に関してもすぐ夢中になって、しばらくすると全く興味がなくなってしまう性格だった。
とくに、好きになればなるほど、飽きるのも早くなるのだ。
「…だから、飽きない良い男を探してるんじゃない」
「そんなこと言って。どんどん理想が高くなってくだけでしょ」
アリサのその言葉がなんとなく図星に感じられてムッと唇を尖らせた。
反論しようとするが、それを遮るように休憩室のドアが開く。
「アイナ〜! お客さんに呼ばれてるよ」
「あ、はーい」
慌てて立ち上がり、アリサにひらひらと手を振って休憩室を出た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。