時間という名の薬

だけど、あの日のあの時の、そして、今まで生きて来た傷は消えない。まだ消えない。


いつか、時間という名の薬が、私を癒やしてくれるのだろうか?癒やされるまで、後どのくらいの時間が、いや、薬が私には必要なのだろうか?癒されないまま、人生閉じるのだろうか?


私は、もう大人かもしれない。だけど、普通に、父と母の二人の愛に包まれたかった。二人の愛の中で私は子供でいたかった。


戻りたい…戻れない。父と母の大きな愛の中で子供に戻りたい。一度でもいいから、戻りたい。この世の人生に別れをつげるまでには戻りたい。


例え、時間という名の薬が私を癒やしてくれたとしても…。


-完-


By 小さな貝がら

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時間という名の薬(短編小説) 小さな貝がら @kaisong2

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