第5話放課後
いつものように、放課後、律子と俺は教室で映画を観ていた。そうすると教室の扉が開いた。「あの、映画研究会ってここの教室で良いんですか?」と女が一人で聞いたきた。「あぁ。」と俺は返事をした。律子は、映画に夢中でテレビ画面から目を離さない。「良かった。間違えたかと思いました。」と女は、ホッとした様子で教室に入って来た。何故、俺が女かと言うと私服姿だったからだ。そうか、隣の高校の女子生徒か。うちの高校には隣に併設された女子高があるのだ。部活動や文化祭は出入り自由なのだ。「入部希望です。」と女は俺に言って来た。「あぁ、良いよ。」と俺は机に肘を付けながら答えた。「活動内容は?」「映画観て感想文書く。」女は、意外と驚いて無い。普通ならこの説明と人数の少なさにたじろぐはずだ。「適当に座って。」と俺は言うと女は、最前列の机に座った。
俺は、独断と偏見の眼差しで女を観察した。活発で痩せているがスタイルが良い。顔も平均より上。まぁ、俺とは縁の無さそうな女だ。気まぐれで見学に来て明日からは来ないといった感じだろう。しかし、映画を見終えると女の感想文を俺は読んで驚いた。ビッシリ書かれた内容は的を得ていて映画好きなんだと感じた。律子は、何の反応も示さない。ただ一言、女に「映画、本当に好きなんだね。」と言った。「はい。映画大好きです。」と笑顔で答えた。
俺は、何も言わなかった。自己紹介だけした。律子は、「律子です。」と女に何故か下の名前を言った。俺は、「塩見。」とぶっきらぼうに言った。「斎藤、檸檬です。」と女は、恥ずかしそうに二人に自己紹介した。檸檬か、キラキラネームの走りだなと俺は思った。
映画とドラマを見終えると解散した。何故か俺の後に檸檬は少し距離を取って歩いている。律子はサッサッと先に帰ってしまった。「あの、律子さんってどんな人なんですか?」と檸檬は距離を詰めて来て聞いて来た。歩きながらこれまでの経緯を簡単に俺は話した。檸檬は、興味深い顔をして聞いていた。「そうなんですか。不思議な感じですね。」檸檬は俺の横顔を見て言った。俺は人の目を見て話せない。不思議なのは檸檬。何でわざわざ超マイナーな映画研究会を入部では無く入会?して来たのか?ポスターを貼った訳でも無いの映画研究会の存在を知ったのか?俺は?ばっかりだった。途中で檸檬とは別れた。俺は、自宅に帰るとお風呂に入ってから晩ご飯を食べた。部屋に入ると自分の感想文を読み返してみた。律子と檸檬の内容とは違ってスカスカだなと俺は思って眠りに落ちた。
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