切り札
今日は小春から龍地の情報を聞き出すかー。
今日結希は学校サボってるし。
一応熱という設定だが、単純に学校へ行くのが面倒くさいらしい。
休み時間に小春を誘って一緒に近くのファミレスで昼ご飯を食べることにした。
「それで、今日はどうしたの?」
小春はメニューを見ながら俺に聞いてきた。
「龍地の中学生時代が気になってな。」
「また龍地の話かー。アイツ犯罪もしてたしこの話あんまりしたくないんだよ。」
犯罪!?
アイツの経歴をインターネットで調べたことがあるが、罪を犯したなんてどこにも書いてなかった
「犯罪って、知ってるのは小春だけ?」
「うん。昔いじめられてたから、ムカついて龍地のことを調べたら、色々やってた。」
やはり小春は使える!
俺のことを完全に信用してすべてをべらべら喋ってくれる。
「証拠って…ある?」
「あるよ。目撃証言だけじゃ貴族のアイツに勝てないからね。」
「…例えば?」
「今日は随分とグイグイ来るね。売春をしてた時の声を録音したボイスレコーダーとかあったと思うけど。」
小春は面倒くさがりながらも、俺の質問に答えてくれた。
今日はこれくらいにしておこう。
色々聞きすぎて小春に嫌われるのも嫌だしな。
その後、注文した料理をそれぞれ食べた後、会計に向かった。
「じゃあ、今日は付き合せちゃったし俺がおごるよ。」
それを聞いた小春はあざっすとだけ言ってどこかに行ってしまった。
俺は財布からクーポンを取り出し、残りを現金で支払った。
結希と食事するとき、「デートでクーポン使うとモテないぞー?」と毎回言われるので俺の財布の中はクーポンでいっぱいだった。
会計を済ませた俺は校内に戻ることにした。
俺はクーポンが減って軽くなった財布を持って、店を後にした。
後日、俺は小春から、ボイスレコーダーを買い取り、龍地の犯罪の証拠を少しずつ集めていった。
だが、問題は起訴だ。
俺のような貧乏人が相手にされるとは思えない。
それに今訴えてもあまり大きな打撃にはならない。
俺は、タイミングを待つとした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます