お嬢様の正体

 俺は昨日出会った転生者に会いに行った。

 ちなみに有給をとったから家庭教師の仕事以外は休みだ。

 ちなみにこの人の名前は斎藤優吾というらしい。

「あなた、前世と同じ名前と体って言ってましたよね?」

「あ、はい。」

「そこで、あなたのこと調べたらとんでもないことが分かったんです。」

「なんですか?」

 俺はリュックから紙を一枚取り出した。

「あなたの毛根、DNA鑑定に出したんですよ。それで、友達の兄妹のDNAと比較したら、面白いことが分かったんですよ。」

 優吾はごくんと唾を飲んだ。

「肯定率、99%以上でした。」

「はい...」

「結衣って人知ってます?」

「...その人は僕の娘です。」

「え...」

「すみません。実は、家族と捨てて逃げ出してしまいました。」

 その言葉を聞いた後、俺は彼に罵倒の言葉を浴びせた。

 かなり頭にきていたから、あの時の事があまり思い出せない。

 久しぶりにブチ切れた。

 相当エネルギーを使ってしまった。

「この問題はこれをこうして...」

 優吾との会話の後、今俺は結希の家庭教師をしていた。

 最近は結希の成績も上がって、学校では学年1位らしい。

「そろそろ休憩にしてもいいですか?」

 結希が聞いてきた。

 さすがに疲れてきたのだろう。

「分かりました。じゃあしばらくの間休みましょう。」

「あ、そういえば今日、有給を取りましたがどこへ行ってたんですか?」

「斎藤優吾っていう人と話していました。」

「優吾!?」

「?...どうしたんです?」

「いや、なんでもないです。」

 気になる反応だな。

「...結衣という人を知っていますか?」

「結衣!?え、いや、知らないです...」

 確定かな。

「その人と仲良かったんですよ、その子。お兄ちゃんって呼ばれちゃってたんですよ。」

「へ、へぇー。」

「でも、その子死んじゃったんですよ。2006年10月21日に。」

「...お兄ちゃん?」

 この反応からして、やっぱり確定だな。

 結希の前世は結衣だ。

 こんな近くにいるとは。

 まあ、たまに変な反応をしていたしな。

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