美味しいチャーハン

 とりあえず結衣の思い出の場所などを巡っていったが、特に情報は入手できなかった。

 俺は自分の夜食を作りながら結衣を見つける方法を考えていた。

 ちなみに俺が作っているのはチャーハンだ。

 前世で結衣によく作ってあげたものだ。

 俺が皿に移し替えて、一人で食べていると、結希が話しかけてきた。

「こんな遅くにチャーハンですか?」

「はい。すこし腹が減ってしまって。」

「そういえばそのチャーハン、私大好きなんですよ。」

 あれ?

 貴族なのに?

 他の執事たちは結希には上品なものしか食べさせてないと言っていたのだが。

「そうなんですか。僕はよくこれを年下の結衣って女の子に作ってあげたんですよ。」

「え...!?あ、そうなんですか!」

「...どうしたんです?」]

「あ、いや、結衣って名前が結希に聞こえただけです...もう遅いですし、おやすみなさい!」

 そして結希はそそくさと寝室へ行った。

 今の反応は何だったんだ?

 そうだ!

 スマホを買ってこのチャーハンをsnsかなんかに載せよう。

 そうすればすこしは手がかりを掴めるかもしれない。

 俺はそのままニコニコしながらチャーハンを食べ、皿を洗い、歯を磨き、眠りについた。


 翌日、俺は学力テストとかいうものをさせられた。

 なんでかは知らないが、大体中学三年生くらいの内容だ。

 結希も中三というのが引っかかるが。

 執事にはこれで赤点をとったらクビと言われた。

 しかも一番怖いのが赤点は何点からかはわからない。

 とりあえず本気でやるしかない。

 結果は、正解率97%だった。

 これなら大丈夫だろう。

 そしたら奥から執事が歩いてきた。

「これほどの学力があるならわざわざ家庭教師を雇う必要もありませんね。今日から時給を1000円アップにするのでお嬢様の家庭教師をやってもらいます。」

 まじか!

「驚きです!スラム街で育ったと聞いたので、割り算もできないと思っていました。」

 ちょっと結希さん、ひどくないですか?

 そうして俺の時給が上がった。

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