第7話🍑武と初旅行

「おれ、〇〇半島に行く予定だったけど近場の温泉に行かないか?

丁度父親が行く予定だったけど招待ゴルフに行くんだとさ」


「ゴルフ?」


「ああさっき親父からメール来ていたんだ」


加奈はウーンとうなり

「出来すぎてない?」


「え?」


成る程、武も出来すぎた話とは思っていた。

「社長が休み急にくれて行く所も

親父さんが用意してくれてるなんて、

デモ ま、いいや行こ」


「作戦に乗った振りか?」


「うん、家にいてもする事無いしカネ無いし」



「よし

そうするか!」

武も暇な連休、暇つぶしに話に乗って来た



「そうと決まればオレ帰る、こんなとこいたくないし、用も無いしじゃあな」

スックと立っ武を呼び止める


「ってか送るよ

駅まで遠いし」



「いやタクシーで帰るよ蛇太郎が車にいるかもじゃんか怖い怖い」


そういうと武はビビりながら玄関を恐る恐る開けたかと思うとすっ飛んで階段を2段飛びで降りて行った。


加奈は約束通り新鮮卵をベランダにおいてあげた、蛇太郎との約束は約束


確かに 確かに あんな小さな口で大きな卵を飲めるのかってぐらい蛇太郎の口は小さいがいつの間にか吐き出された卵のからがひからびている。🐍🥚



ん、ってか連休初日から行くのかな?

時間も教えて貰えず武は帰ってしまった。

仕方ないのでさっき教えてもらったLINEに送る


「武旅行のことなんだけど・・・」



「ああ、明日俺んち来いよ、アイツは連れてくるなよ出禁だ出禁!

ぜーったいだかんな"!」


「アイツって蛇太郎?付いてこないわよ、あの子は家の周りにいて家の中には警戒して入ってこないわよ」



「どうだかなぁ」

武は怪しむように語尾を上げる


「まぁいいよ

どーでも」

呆れ顔で加奈も呟く



あんなに蛇を恐れる奴の気が知れない

加奈の実家の一軒家には柿の木があって、ブラーンとさがった紐はいつもクネクネしていた

あの蛇はデカかった、けど蛇太郎は小ちゃい🐍細書きの油性マジックくらいの太さ噛みつきもしないし悪さもしない、ただ餌が欲しいのか窓にペタッて張り付いてるだけだ。

蛇太郎だって、蛇に生まれたくて生まれた分けじゃないそう思う



たまに見るが居ないとちょっと心配する

カラスがいるから、カラスのアイツは強いし頭がいい、加奈はカラスの頭の良さを良く知っている

だから蛇太郎が狙われたとき用にコーヒーの缶に入れるように蛇太郎の身体の太さに穴開けて二、三個設置してある!他人のカラスには警戒が必要


蛇太郎🐍は、たまに木の枝にテレーッとぶらさがっている時がある

カラスに狙われるとゆう危機感がまるで無い

蛇にも、のんびり屋がいるんだなぁ、お前いつか食われるぞって思う大丈夫か?!



次の日、加奈は武のマンションに向かう


勿論蛇太郎は窓にペタリ新鮮卵を置いていく

後は自力でエサをとるだろう最低限の栄養補給さえしてあげれば大丈夫!



エントランスから番号を押す

ガチャりとドアが開いて加奈はエレベーターに乗り上昇、武の部屋は8階

地震が来た時8階までなら歩ける為だ

30階ならほぼヘリを使う勿論ヘリポートもあるがいちいちヘリを使うかと考えたら燃料もなくなった時補充を待たなきゃ行けない

なら8階ぐらいが良いとの事

地震はいつ来るやもしれない。


チャイムを押して中に入る、鍵はあけてあった



武はソファーに腰掛けて振り向きもしない

想定内な、出迎えに靴紐を外し

「ほうれ、ほうれ」

加奈は武に紐をブルンブルンとまわしほうり投げた

上手いこと武のスマホを握る手にポテッと落ちた。ヒェッ

黒ヒモに目がいった武は


「ぎゃゃゃゃゃゃゃゃあ」

とびあがりソファーを飛び越えアッとゆうまに部屋から出て行った。


「👏あははは」

加奈は大笑い

加奈がくるのは、わかってるのに無視した罰だ!ざまぁwwww


「オイッ加奈」

加奈が大笑いしていると怒り気味の武が仁王立ちで睨んで来る

右手をペチペチと叩くような撫でるような仕草をしてる。


「お、おまえなぁ💢」


「バーカ👅靴紐だよ

どんだけビビリなんだよꉂꉂアハハ」

う、グッグヌヌ

武は何も言えず突っ立っていた。


革張りのパリッとしたソファを加奈がポンポン叩くと武は訝しげに座った。


「デ、何時から行くの、♨️」


「ああ、明日、迎えに行く用意しておけ」

ふんぞり返って怒り気味で言って来る

そんな態度に加奈も憤慨したようにつっけんどんに言い返す


「わかったケド命令口調はやめてよ

上から目線はよくない」


「は?」

ムッとする武に加奈はビシッと言ってのける


「未だ他人な訳だし

付き合っても居ないしフリ、フリな関係なんだからサ」


「いやいや俺の口調はコレ、ムカつくならお前もコレでいいよ

タメグチで」


「あら、そ、OK OK

じゃあそれならいいよ‼️」



武はそれからニヤニヤと動画を見ていた


何見てんだろ

そーっと後ろから覗くとなんとYouTubeのサービスエリアに友達置き去りにしてみた笑!

のタイトル、思わず加奈もプッと笑いが出る。


武は開いていたスマホをサッとポケットにしまうと行くぞ

と顎でクイクイ


急に言われ

「え?何処に」


「オンナかえたら車も変えないと疑われちゃうんだよ」


「毎回?」加奈が聞くと

「毎回」と武は答える

当然の様に武は言う

加奈はビックリして


「ってか、アンタ彼女いたの?」


と聞いた


「まあ、それなりにな」


「ヤバいじゃん

彼女に説明しなよ

私、申し訳ないよ

コレはフリだって

伝えないと駄目でショッ꜆꜄꜆꜄꜆」


「いいんだよ

もう別れたかったし別れるつもりでいたし、オレ縛られるのヤだからさー、束縛強くてヤなんだよ」



「そうなん?

へーぇ


アンタが良いならいい

ケド後悔すんなよ」

加奈は御育ちが悪いからか口調もキツくなる



「お前、車の車種は何が好き?」


「え?憧れの車はあるよレクサ〇」


「まあデザインは良いよな、じゃあそれにしょう」

武は慣れた手つきでスマホで連絡をしていた。」


「え?いろ?」


「加奈何色がすきなんだ?」

聞かれてすぐ応える


「一見黒に見えるけどよくよく見たらアイボリーが好きかな♡」


武はスマホをスピーカーにしていたらしく


「承知しました

お気をつけていらしてください

おまちしております」

と言っていた

「じゃあヨロォーッシク」

と偉そうに武は電話を即切った。



そして販売店へと前の女の好きな車に乗って出発、車種はグロリ〇

成程車に彼女の性格ってでるんだなぁ



「明日までに納車できる、旅行に乗って行きたいんだけど」


「いゃあ難しいですねせめて2週間は・・・」


「に、にしゅーうかーんも!カカル」

武は首を45°傾けてジロリ


「꜆꜄꜆꜄꜆はい、急いでもそれくらいはー՞ ՞」


「ちょっとディーラーさん困ってるじゃん

脅す様な言い方やめなよ!」



「分かりました、こうしましょう」



そう言って台車のレクサ〇を用意してくれたのが加奈が好きなレクサス購入の経緯


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る