第8話🍑サービスエリアに放置される





( ´◔‸◔`)アレレ

私(天宮加奈)はサービスエリアに呆然と立ち尽くす。

彼(佐藤武)と一緒に連休を利用して温泉旅行中のハズなのに彼の車(レクサ〇)が無い

トイレ休憩に寄っただけなのに?


あっ


そう言えば

加奈はハハッとして青ざめる‼️


「アハハハハ」

ケラケラ笑う武に加奈は訝しげな顔をする。

何かYouTubeを見て笑う武のスマホを覗き込むと

「サービスエリアに置いていかれた」

と声を上げて叫ぶYoutuberが唖然として立っ姿が滑稽な動画がフォロアーを増やしていた。


この時ケラケラ笑う武の頭の中に気づくべきだった、ケラケラ笑いながら

何を考えていたのかを・・・


コイツは面白いとピンと来た事は速実行するヤツだった、あのバ カ笑い をするときはとんでもない事を、思いつく奴だと言うことを忘れていた。


それに今は武にとっては願ってもないうってつけのサービスエリア、考えたらやらない訳が無い😭


ピンと来てチャンスと思ったのか

私がタケシならやるだろう



加奈はくるりと回りを見る

アイボリーのレクサ〇が黒のバンに隠れるように駐車してるのが見えた


隠れて動画を回してるに違いないニヒヒと笑う武の姿が浮ぶアンニャロー


加奈は背を低くしてレクサ〇に近ずくソロリソロリ

案の定バックミラーで武は様子を伺っている。


バッと駆け寄りドアをつかもうと加奈も頑張るが 咄嗟に気づいた武はビューンとアクセルを踏み

チョコッと走り出した。


加奈が近づくと又徐行する窓がビィィンと開けば、頑張れ頑張れと手を叩き煽ってくる、それを繰り返し やられた。武は遂に高速に近ずく距離に到達した


「ち、チチクショウ」


加奈も意地になり走り続ける

流石に待ってくれるだろうと鷹を括りヨロヨロと車に近づく


ビィィィンと窓を全開に開けニヤニヤした笑顔でな、なんと



「バイバーイ頑張れYOー

加奈👋 ̖́-」


と手を振って高速を走り出したー


「は?は!タケシーィ」


「タケシ━━━━ィ」

キャハハハハキャハハハハ

甲高いꉂ🤣𐤔笑い声を

あげながら置いて行かれた


力を振り絞り叫ぶ加奈を置いて

アッとゆうまに武のレクサ〇は。見えなくなった。



加奈が大好きなデザインで昨日納車が無理と言われ大慌でお店の人が代車を用意してくれた。、そして楽しみにしていた旅行



「マジかーやられた〜」

加奈は動画で見たYoutuberの彼のように立ち尽くす。


「有り得んくない」



どれくらい立ってたのだろう

きっと武の仲良しのグループには加奈の置いていかれた動画が武の友人グループLINEで拡散しているのだろう


の中に加奈も招待されてグループLINEに入ってる。

見る気も起きない

が武がもしかして連絡してきたかも と僅かな期待を持ちつつラインを開くが音沙汰なし


しかし通知が来ていた

慌ててグループラインを開いてみる

たけしが無理やり入れた自分の友達LINE

案の定、加奈がヘロヘロになって走る姿や呆然とする姿が

アハハハハの武の笑いといっしょに上がっていた。

この為に無理やり友達追加で入れたのか・・・


コメントは色々

「やり返せ加奈」


「油断するからだ加奈」


「何回やられたら気ずくんだヨ」


「マジおもしれー」


「加奈可哀想」


加奈を擁護する意見がチラホラ

ほとんどバカにするコメ

しかも呼び捨てされてるがほとんど知らない奴らばかり


ꉂ🤣𐤔ꉂ笑い飛ばす輩ばかり


「くっそおー」

そのあとの武のコメント動画では

昼飯の海鮮丼やスイーツが投稿されていた。


「加奈早く来いよ」

と憎たらしい文字が書き加えてある、なんちゅうヤツ


高速を降りて1人ランチに行ったらしい


バカチンめ、昼ご飯ならサービスエリアの方がご当地グルメ盛り沢山じゃ

加奈は諦めてひとまずはランチと思いたった。

「加奈大丈夫、迎えにいこうか?」

耐え難かった加奈はさっきつい菜乃花に動画を送信


イライラしていると親友の菜乃花がLINEで聞いてくる

「やられたな加奈」


「アイツ頭に来た」

怒り心頭を表にだす加奈


「だから言ったやん、付き合うのは反対だってー、嫌な予感しか無かったワ」


「まさかここまでするとは思わないじゃん」


「面白ければやる奴よ、だって

あんたが爆睡してた時

皆止めたってきいたけど

┏◎-◎┓や鼻毛ほっぺに🇯🇵描いて知らん振りしとけっていってそのまま電車で返すヤツよ」


「・・・そんなんもあったな」


「その時もグループラインで回ったみたいじゃん」


「菜乃花も泣いて笑ったよね💢」



「だって、面白かったから

ゴメンゴメン」


「あれから酒は家で飲むことにしたワ絶対外で飲まない!

油断も隙もないんだから」



「もう別れなよ彼女置き去りってないワ、子供できたら絶対標的は子供にもまわる、教育上良くないって

何されるか分からないわよ

早いうちに別れなよ」



加奈は考える

そっかぁー今は私だけだけど結婚したら子供にも害がおよぶよね

うーん、付き合って三日ってのもで別れるってのも面白いよね


「ヘヘッあっちがその気なら

私も我慢する意味無いよね」





「加奈ー」

それから1時間後菜乃花は春らしいワンピとゆるふわに流した髪で

手を振る。


「ごめんねー」

三連休の一日を潰したことが申し訳ないと加奈があやまると

菜乃花は彼も仕事だから暇してたから良かったよと可愛らしい目をクシャクシャにして笑う。



「可愛い菜乃花、そのワンピ良く似合ってる」


「そお」

と言ってくるりと一回転

菜乃花はおっとりしてる加奈とは違いパキパキ行動派


加奈は長いまつ毛にはっきりした目、サラサラのロングヘァに157の身長で菜乃花と並ぶとこじんまりした二人組

入社以来ずっと一緒に過ごしてきた、そんな菜乃花は仕事場の川崎優吾を身染めゴリ押しで結婚した、彼は大病院の跡継ぎであるのに関わらずホテルのフロントで働いている菜乃花は悩まずすぐ嫁に行った。



「加奈に合う人絶対いるって

優吾に探してもらう?」



「遠慮します!」



「え?優吾のように真面目な人も沢山いるわよ、少なくともアイツよりマシとおもうよ」


「武は特別よ

あんなん何人もいたら大変よ」


遥かに菜乃花の彼の方が上だ、頭いいし努力家だし、優しいし穏やかだし・・・

武は意地悪だし、なんせあの笑い上戸

奴といる時は常に気をはっていないとなにされるかわからない。

もうため息しか出ない。


武は背が高く目はキリッとして確かに男前 彼に憧れる後輩や同期、年上からモテるだろうパッと見ればきゃあきゃあ言う女の子は多い。


「加奈ランチたべたら帰る?」

菜乃花が聞いてくる


「うーん、次何考えてるか知りたいかも、今頃次のイタズラを考えてるはず絶対!絶対‼️」

「分かってるのにいくの?

案外気に入ってるの?」



「・・・・」

菜乃花は呆れながら


「伊達空虫も好き好きってようもんね」


菜乃花はなんとも不思議な顔をして加奈を見る。


菜乃花とレストランに2人で入り牛ステーキ🥩を映え撮り


インスタにあげる。

あっちが海鮮ならこっちは肉


ついでに、おいしそうなフルーツケーキ🍰



「オイッ、早くコイ なにノンビリ飯食ってんだよ」

とインスタを見た武からラインが入った、文字の返信はなし 了解🫡だけのスタンプ送信


それからゆっくりと加奈は菜乃花とランチを楽しみ菜乃花の運転で温泉旅館へとのんびり向かう


旅行は彼氏と行くより友達と行ったが絶対楽しいかもしれないな事をおもう。



「菜乃花いいの、帰り遅くなるんじゃない?」


加奈は1人高速に乗る菜乃花が心配になって来た

旅館に着いてキャンセル待ちが出てないか聞いたら偶然同じ旅館に一部屋空きがあった。

ヨッシャャャャ菜乃花と加奈はガッツポーズ


いったん菜乃花と別れ加奈は武の部屋へ向かう

少し山間の落ち着いた構えの歴史ある旅館は、山桜の茶色い柔らかい芽と薄いピンクの花に山つつじの赤い花、向こうに目をやると

真っ白な木蓮と紫の木蓮 はたまた道にはハナミズキのまだ咲かない木々が立ち並び迎えてくれるそんな風景が部屋に案内される廊下から良くみえた


「ホーホケキョぴぴぴ」

沢山の鳥の声が響く、忙しない日常も忘れそうにノンビリできそうだ。


「お連れ様がおつきです」

と部屋に声をかけて

「ごゆっくり、」

と言って若葉色の着物を着た40歳くらいの中居さんはしずしずと足袋の音をたてて去って行った。」

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