第4話
「お父様?ジュリアーノ様は陛下の、コンフィテュール王家の血を引いているのでしょうか?」
母親の血が濃いとはいえ、コンフィテュール王家の特徴を何一つ受け継いでいないのはおかしいですわ
実はお父様もジュリアーノがコンフィテュール王家の特徴がない事を疑問に思っていたみたい。
あれから私はお父様に頼んでジュリアーノを取り上げた産婆、王妃と密通していた庭師と、庭師との逢引きを手助けしていた侍女の捜索をして貰ったの。
勿論、彼等の安全は保障する前提で。
時間は掛かったけど王妃と関係を持った庭師ことヨハン、ヘレナーとヨハンの逢引きを手助けしていた侍女の一人であるデイジー、そしてジュリアーノを取り上げた産婆を見つける事が出来たわ。
ヨハンと初めて顔を合わせた時、本当に驚いたわよ。
「お父様・・・?庭師のヨハンとジュリアーノって瓜二つね・・・」
「ああ・・・まるで双子そのものだな」
後はこの三人に当時の事を陛下とジュリアーノに証言して貰おうとしたその時、陛下がお父様の屋敷を訪れて土下座。必死の形相で頼み込んだの。
「アドリアよ、頼みがある。お前も知っているだろうがジュリアーノは王に相応しい器を持つ王子なのに、王妃が平民の娘というだけで有力な後見人がおらぬ!」
故にベルフィーネ姫を妃に迎える事でジュリアーノが王位を継ぐ事の正当性を証明したいのだ!!
・・・・・・おっさん、私とジュリアーノの結婚を政略結婚だときっぱり言い切ったな。
寧ろ清々しいわ。
そういうところ、見習いたいくらいよ。
王族の結婚は政略が前提だし、相手が私を正妃として重んじてくれるなら別に政略結婚してもいいけどね。
でも私は火中の栗を拾うなんて愚かな事はしない!!!
だって相手がジュリアーノだから!!!
ユーリアを着飾らせて、ユーリアと「アッー!」する為だけにベルフィーネを〇山三国志の村祭りの話に出てきたお嬢さんと同じ目に合わせる、駆け落ちしたユーリアを取り戻す為だけにミルキー王国と戦争したジュリアーノって究極の事故物件じゃん!
誰がそんな男と政略結婚するかっつーの!!
というより、ジュリアーノってコンフィテュール王家の血を引いていないから即位する正統性なんてどこにもないじゃんよ!!
私はヘレナーの色香に溺れている陛下に現実を突きつけてやる事にしたわ。
私達親子と陛下の遣り取りを語っていったら長くなるから端折るけど、簡単に言うとこんな感じね。
ジュリアーノは王妃になって間もないヘレナーが庭師のヨハンとの不義で出来た子供である。
その証拠にジュリアーノはコンフィテュール王家の最大の特徴とでも言うべき紫色の瞳を持っていない。
陛下は我が子ではなく平民の男の息子に王位を継がせてコンフィテュール王家の血を絶やしたいのか?
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