プロローグ②
「魔導書はですね……わたくしの先代がお作りになられた物です……魔導書は魔力が無い人の為に作られました」
師匠は一冊の魔導書を本棚から取り出します。
「わたくしはあなたと同じように魔力が全くありません。ですのでわたくしは魔導書を使用しています……わたくし達との秘密……ですよ」
「はいどうぞ……これはあなた用の魔導書ですよ」
師匠は私に一冊の魔導書を渡しました。
「あ……ありがとうございます! てかなんで魔力無いって知ってるんですか?」
「わたくしは生まれつき人の魔力が見えるんですよ……魔力が無い代償……ですかね……」
魔導書にて魔法を使う方法が二つあります。
それは2秒以内に使いたい技があるページを開き、使いたいページに手を当てることです。
一桁ページまでなら用意にすぐに開けますが数百ページになるとかなりハードです。
魔導書には約8000種類もの魔法が刻まれています。もちろん全ての技がどのページにあるのか覚えなければいけません……。そして全ての技の名前を覚える必要があります。
「いやできるか! 頭がパンクする! 全然……覚えれない!」
私は一人頭をかかえます。こちらにフィロさんがゆっくりとやって来ました。
「私でもクレシアちゃんと同じ年齢だったとき200種類くらいしか覚えて無かったけど……クレシアちゃんは何種類覚えたの?」
「2000種類ほどです」
「え……えぇぇぇ!」
先輩は大きな声で凄く驚いていました。なんで驚くのでしょうか、私はまだ半分も覚えられてないのに。
「そんな元気な声出たんですね……フィロさん」
「だって驚くよ……ネロ師匠……この子たった3週間でここまで覚えたんだよ!」
「超えられたんですか……フィロさん、あなたはまだ1000種類しか覚えれてませんしね」
「師匠……ふざけないで……ください……」
「すみませんでした! フィロさん、ご了承ください!」
「師匠……私、買い物に行ってくるよ……」
「フィロさん……今日の夜ご飯はステーキが食べたいのでいつものお店でお肉を買って来てください」
「それではいってらっしゃい……」
コン コン! ゴン ゴン!
誰かが玄関のドアを力強く叩く音がします。幼いころの私には、とても怖いと思うほどに。
「クレシア! ここに居るのね!」
(お母さんの声だ……怖いまた殴られる……)
「隠れててください……クレシアさん……」
私はリビングの本棚の後ろに隠れることにしました。
師匠は一人、私の母親の対応をすることにしたようです。
「どうか致しましたか……」
「クレシアの母です! あの子を返してください」
「あの子を返したら……あなた、虐待するのでしょう……」
「何よ……わたくしはそんなこと致しませんわ!」
「じゃあ……わたくしが出会ったあの日のクレシアさんの状態は何ですか!」
「あなた……出ていきなさい!」
師匠は断り、私の母親を追い出しました。師匠は力任せにバタンと扉を閉めます。
「ローレンス! あいつ訴えてやりますわ! 誘拐犯ってことにして……そして憎いあの子を」
「へぇ……」
母親の目の前には大きな漆黒のドラゴンが……。
「きゃやああぁああ!」
ドラゴンによって切り裂かれ、私の母親は死んでしまいました。
時計の針は、現在午後6時に差し掛かろうとしています。
「フィロさん……全然来ないです……師匠」
「玄関の外で待ちましょうか……」
目視で状況を確認出来るような位置でフィロさんが倒れていました。
「だっ大丈夫ですか! フィロさん! 血……!?」
「ド……ドラゴンが街を……襲っています……助けて……ください。少しばかりダメージをあたえました……」
「フィロさん……フィロさん!」
「クレシアさん……今からドラゴンを倒しに行きましょう……」
「待ってください……フィロ先輩はどうするの? 手当てしないと……。あっ! それなら治癒魔法を」
「もう息はしていません……ですからもう……」
目の前にフィロさんを襲ったドラゴンがこちらに。その見た目はとても恐ろしい見た目。ドラゴンがお好きな方でも逃げ出す、そんな見た目です。ドラゴンからもの凄く殺気を感じます。
パ ゴ ノ ミ
師匠は相手の体温を絶対零度にして凍らせてダメージを与える上級魔法を魔導書にて使用しました。
ドラゴンをあっという間に凍らせます。
そしてしばらくすると氷に見る見ると、ヒビが入っていきます。
ドラゴンが氷を突き破ってこちらに襲いかかって来ました。
「クレシア危ない!」
「だ……大丈夫ですか……クレシアさん」
「し……師匠……?」
「クレシアさん……わたくしをきっと越えれます……信じてますよ……クレシアさん……」
「やっやだ……絶対に嫌です……」
「大好き……でしたよ……」
セ ラ ペ ボ !
セ ラ ペ ボ !
「いっ……嫌……傷治って! 血止まってよ! 嫌だ……嫌だ!」
お 前 の せ い だ !
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