第2話 ナビゲートテラー

私は主人公Guestを誘うナビゲートテラー。


 こちらには多くのお客様ご相談者様がいらっしゃいます。もちろんご理解されてサインをいただいて、その次のステップに。


 リスクも伴うため、サインする前に退席される場合もございます。


では、私の説明を。えっ?不要ですと?


 確かにそうかも知れませんが、こちらに来られてご希望の時に行かれるお客様にはとても必要な内容です。


 ナビゲートテラーとは、本当にその場所に行きたいと強く思われるお客様を転送する力があります。極めて特殊な能力です。


 転送先は、大半は過去になります。現在の異なる場所へはお連れ出来ません。そして、未来も解らないことばかりです。もし100年先に転送して、住める場所が無いかも知れません。


 それでも未来を見たいと、何としてもサインするので希望通りにと懇願されるお客様もいらっしゃいましたが…


 サインされる以上、こちらも断れません。その場合は仕方なく…


 その点、過去ならある程度解ります。平和な安全な時代も。


 興味から安土桃山時代戦国時代をご希望されたお客様もいらっしゃいます。しかし、安全が確保できない時代です。そのためお断りしました。


 そして、大半のお客様は…おっと、説明途中ですが、本日最初のお客様が来店されました。


【いらっしゃませ。ご希望される前に、こちらの内容をご確認いただきサインをお願いいたします】


 その内容を真剣に読み続ける男性。そして、落ち着かない様子も。暫くして女性の来店。


 お二人は恋人同士のようでは有りますが、どうも表情が暗く、何かを抱えているようです。


【私達、出会った最初の場所に戻りたいのですが、可能でしょうか?】


その女性の言葉は何かを思い詰めるようで、


その後、男性も、


【お願いします。サインしました。その…絶対にこの内容には従います。彼女もすぐにサインします】


サインすることに躊躇しなかったようですね。


 その覚悟があるなら、私はナビゲートするだけです。では、ご希望の過去出会いの場所へお連れいたします。


 



 

 




 
















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