素粒子

 ヒマを持て余していた神『ハル』は、ヒマ潰しのためにゲーム盤『宇宙』を創造した。


「ハル、ヒマしてるだろう。来てやったぞーって、何やってるんだ?」

「ん? 素粒子テトリスだけど」


「なんだそれ? 面白いのか?」

「面白いかと聞かれると、微妙だけど」


「微妙なのか……」

「でも、素粒子を幾つも組み合わせて原子を積み上げていくのは、無心になれて、いいヒマつぶしになるわよ。あなたもやってみる?」


「どうやるんだ?」

「まずは、アップクォーク二つとダウンクォーク一つをくっつけてハドロンである陽子を作るでしょ。それにこっちからレプトンの電子を持ってきて……」


「あー! 説明はもういいや。理解できそうにないし」

「そう? それで何か用でもあったの?」


「特に何も。ハルの様子を見に来ただけだ」

「そう。あなたもヒマなのね」


「……別にヒマなわけではないのだがな」


 その後もハルは素粒子テトリスに興じ、たくさんの原子を作りだしたのだった。



素粒子テトリスの概要


1.出現してくる素粒子を組み合わせて原子を作っていくパズルゲーム

2.基本例は、陽子(アップクォーク2、ダウンクォーク1)と、電子(レプトン電子)の組み合わせ

3.中性子(アップクォーク1、ダウンクォーク2)を組み合わせれば、多彩な原子を作ることも可能

4.複雑な原子ほど高得点だが、時間内に処理しきれなければタイムオーバーで崩壊



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神ゲー 『宇宙』それは神様の『ゲーム盤』 なつきコイン @NaCO-kaku

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