第5話



おー、なかなかやるじゃねえかネーチャン。

女の持ち主自体珍しいのに、全体と比べてもかなりの当たりだぞ。

この刀? って形も久しぶりだけど結構良いよな。

ん?

別に俺が意識的に形を変えてるわけじゃねーんだわ。

持ち主の体格とか性格とかスキルとか、その辺がなんかうまいことなって、勝手にちょうどいい形になるってだけ。

そういう機能なんじゃね?

あーそうだな……。

クソでかいハンマーだったり、なんか鎖のついた鎌だったりしたこともあるぞ。

鎌はともかくハンマーは血が吸いづらくてかなわんかったな。

この形なら急所だけ斬りゃ殺せるし長持ちしそうだしなかなか良いと思うぞ。

あーでも、デカトカゲはいけっかな?

サイズがなあ。




ナイスナイスナイス!

俺このデカトカゲだいすき!




さっきギルドで聞いたけどよ、素手でデカトカゲ倒すやつがいるらしいぞ。

すげーな。

魔剣の俺が言うのもなんだけど、人間ってわけわかんねーわ。




え、いいのか?

これ戦場?

ここにいるやつ全員食って良いのか?


おかわりもあるじゃん!

すげー!

入れ食いだぜ!




いやー、食った食った。

大満足だぜ。

こりゃ消化に時間がかかるくらいだ。

ネーチャンは俺のことわかってんなあ、範囲攻撃は百人からってな。

やっぱ効率を追い求めるとそういうスケール感になってくるわけよ。

ん、そうさなあ。

持ち主が俺の関係ないところで殺されないって前提だけどよ、大体まあガキがジジババになるまでの間、ずっと俺をただの剣として振るい続けたとしてだな、毎日ひとり殺すのを百だとするわな。

そんで、5・6人を相手にする時にいちいち今日みたいにやったとしたら、結局長持ちしなくて百より少なくなっちまうわけよ。

でも百人から相手にして使うんなら、トータル的には余裕でプラス。

儲かりまっか、ウハウハでんなっつー感じよ。




おーい、気をつけろよ。

なんか魔術師がネーチャンのこと見てるぞ。

お?

そうだな、随分馴染んできたからな。

ネーチャンの目を使ってても、〘みてる〙のは俺だからな。

俺には脳みそもねーからよ。

いや、細かいことは知らんけど、人間は脳みそで考えてるから、脳みその限界は超えらんねーんだろ。

俺には脳みそがねーから細かいことは考えらんねーけど、その分そのまま受け取れるんじゃねーの、知らんけど。


くーっ。

やっぱ魔術師は美味えなあ。

うん?

うーん、相手によるけど、1.5から2人前くらいか?

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