日常 学園にてⅢ
「1970年、糸魚川-静岡防護分断壁の建造が開始されます。ダンジョンから無限に供給される建造資材により、高さは平均で50メートル、幅100メートルほど開けて2枚の防護壁が設置されました。1982年に防護分断壁は完成。これによって東西間で行き来することは事実上不可能になりました。この間の1974年に東側陣営と西側陣営の対立の高まりを受け国際連盟は自然消滅。
1991年、アラスカとシベリアを主戦場としてアメリカとソ連間で第三次世界大戦が勃発。
1993年、西日本でソ連を相手取った第一次極東戦争が勃発。1994年、今度は東日本でアメリカを相手に第二次極東戦争が勃発。そして両戦争での勝利によって両国は独立しました。
1995年にアメリカがソ連に勝利し、ソ連は34の小国家群に分裂、アメリカは事実上の世界の覇者となりましたが、ソ連との全面戦争により国力はそれまでの半分以下に落ち込み衰退することになりました。
我が国に視線を戻すと1996年、東日本社会主義人民共和国と西日本連邦間での交流が再開。そして2004年、糸魚川−静岡防護分断壁が部分的に撤去され、一年ほどかけて全体が撤去されました。
2006年、協議の結果、東西で新大日本帝国として融合することが決定されました。これにより1964年までを旧帝国時代。64年から6年までの42年間は分割統治時代。2006年からを新帝国時代と呼ばれるようになりました。」
良く先生もこんな長文を噛まずに飽きずに喋ったなと思う。国語の先生ではないだろうに。
あともう少し確認してくれるパートが欲しかったと思う。現に隣の席のやつなんて白目向いてるし。ちょっとまぶたがぴくぴくしてて面白い。
「2007年、国際連盟に変わる新たな国際機関としてアメリカに国際連合(UN)が設立されます。また同時にDIUの代わりとなるUNの下部組織、世界迷宮連盟(WDF)が設立されます。そして名目上では独立組織ではありますがWDFの傘下組織の世界ダンジョン冒険者同盟(DAA)も創設されました。
たぶんこの中にも何人かはDAA−JPに所属していると思うから馴染み深い内容かもね。」
いや公然の話だろうとも教科書の中ぐらいでは「名目上では」とかは、なんとなく入れないでおこうよとは思う。
因みにWDFは冒険者とダンジョン産の物資の流れの監視が主な役割。DAAは冒険者とダンジョン産の物資の管理が主な役割。そしてWDFは国際連合軍とは別に、独自に世界各国から上位の実力を持つ冒険者を集めた(あくまで彼らは治安維持部隊と言っているが)軍隊を持っており、いざという場合にはこの部隊を動かしてくる。
DAAの後ろについているJPはどこの支部かを表している。某SecureでContainでProtectな団体と同じだ。
「2013年、アメリカでは国力の低下やそれに伴う失業率の増加など様々な要因により第二次南北戦争が分離独立派と現状維持派の間で起こりました。これにy」
ここでチャイムが鳴り響く。今日の先生の戦果は23人中の12人キルだった。なかなかやるな。あの列なんてビンゴだし。授業中にキル数数えるの楽しい。
そしてチャイムの音とともに起き出してくる死者の群れ。お手軽死者蘇生だ。わざわざ魔法を使う手間が省けるのは便利だな〜と思う。
「ありゃもう時間か。じゃあ号令よろしく。」
挨拶を済ませてぞろぞろと廊下に出ていくゾンビの群れ。思い思いに伸びをしたり雑談しながらロッカーに向かっていっている。
「ねぇ〜カナ〜今回の授業すごい暇じゃなかった〜?暇すぎて記憶無いんだけど」
廊下に向かって教室を出よう歩き始めた瞬間に捕まる。
「なんで資格取れたのか分からないような奴がなんか言ってら。ただ単に寝てただけだろ。」
今絡んできた志乃は去年一緒に受けに行った冒険者資格取得試験で合格点より1点高かったがゆえに合格していた。ある意味すごいと思う。
「いやカナも窓から外眺めてたじゃん。どうせ「ハヤクダンジョンイギダイ〜」とか思ってたんでしょ」
「なんだそのちょっとだけ知性が残ってる系の怪物風の喋り方。ただ単に桜の木のところに行きたかっただけだし。」
「お昼寝したいだけじゃん。次の時間は古典なんだし志乃が膝枕してあげるよ?あと今日配信やるの〜?」
「いや良い。前にそれやって、付き合ってるのかとか色々付きまとわれて鬱陶しかったし。てかうん、今日はダンジョン潜る予定だから配信やるよ。」
「おっ、なら志乃もついて行って良い?」
「何時からなら来れそう?」
「うーん、今日は1時とかからなら行けるかな〜」
「なら一緒に行くか。」
「おk〜。いつものダンジョン?」
「いや、今日は
ダンジョンの発見順ごとに番号が振られているので一つ一つに固有の番号があるが、大抵のダンジョンには通称が存在しないので6桁の番号で伝える必要がある。正直言ってめんどくさい。
「052391ね〜。めもめも。タイプは?」
「
「わかった〜。んじゃあとで〜」
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間を持たせるためだけに出てきた幼馴染ポジション志乃。登場!
↑因みに一切設定決まってない。魚からしても誰おま状態。だから登場シーンがすっごい雑だったり。
あと一パート分挟んだらダンジョン行けるかな?
核融合爆弾よりきれいな戦術核並みの破壊力を持った存在がホイホイ存在する世界って怖いね。第三次世界大戦ではアメリカが世論の高まりを抑えきれずにアメリカ側から仕掛けることになりました。
そしてうまく戦争を抑え込もうにも下手に個人の武力が高すぎるが故に不確定要素が多すぎて、第二次世界大戦の戦訓から「平均化され統一された軍隊」の運用に舵を取っていたアメリカは戦況のコントロールがうまくいかず、更に世論の「ソ連滅ぼせ!」の大合唱によってやり過ぎ、国が消滅してしまいました。
だから国を傀儡化することも出来ず、賠償金も取れない「無駄な戦争」になってしまったのが第三次世界大戦です。
兎を捕まえるのに戦艦の主砲を持ってきて山ごと吹き飛ばしたら得られるものは何も無いのは道理。それが国民には分からなかったらしいです。
そしてこの世界にもSecureでContainでProtectな団体はあります。但しインターネット上で収容された筈のオブジェクト達が後に実際にダンジョン内で発見される事があるので実在が囁かれているとかなんとか。
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