第9話

「忘れたか?お前に称号を与えてやったのは俺だ!!」


「ぐはあ!!!!!」


 やっぱりとんでもないパワーだ!さっきので100mくらい飛ばされた。だけどまだ立っていられる!あの技を使うことができたらいくらマスターでもいけるはずだ!!見せてやる俺が過去を超えることができた技を!!


「『英雄の剣』!!!」


 再び神々しいオーラを放って魔法陣と共に大きな剣が出現した。さきほどよりも圧が強化され、威力が上がっているようだ。


「いけえ!!!」


 英雄の剣は光の速度で100年後の俺へと向かっていく。凄まじい圧………これを食らったら一溜りもないはずだ。どうだ………!?


 しかし俺の期待は裏切られた。


「ほほう……この技も悪くないな」


「!?」


 無傷だと!?あんな全てを超越したような威力をしていたのに!?

 100年後の俺は涼しい顔で立っていた。英雄の剣はなんと彼の右腕1本で止められてしまったのだ。


「よいしょっと」


「ぐは!!!!」


 もう次元が違う速度で俺への攻撃を続けた。どこから攻撃を受けてるかも分からない。強いとかそういう次元を超えてる。この人はバケモンだ………!

 100年後の俺は気持ちよさそうに突っ立ってる。まるでペットと遊んでいるかのように無防備だ。この人はなんなんだ………本当に100年後の俺なのか!?


「俺のシナリオ通り強力な敵を倒して自信ついたっぽいけど………その全てを作ったのは俺だからね。そう絶望しなくてもいいよ」


「……全部作ったのか…?」


「うん。性格とかはいじってないけどね。記憶を少し付け加えて…………あ、あと称号だ」


 ………この人…………俺と考えてる世界が全然違う。俺もこれから生きるならこうなっちゃうのかなあ……どうやってこの強さを手に入れたんだろう。どうやって強くなれたんだろう………?ん………強くなれた?


「ほう?」


 分かった………この状況の打破!!逆をつくんだ!!!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る