第2話
ーーーあれ俺寝てた?てことは夢から醒めたよな?
「……!?」
しかし目の前の光景は寝る前と何ら変わりのない誰もいない教室だった。えてことは夢じゃなかったのか!?
「ん?」
するとぽんっと新たな文字が表示された。
【どの王も選ばなかったため新たな称号を得られました】
【称号:中立の王】【称号:たった一人の英雄】
【戦闘能力が劇的に上昇します】
なんだこれ……称号?戦闘能力?
すると体から何か湧き出すような、まるで噴火する火山のような感覚に陥る。なんだこれ!?痛くは無いが体が震える!筋肉が動く?骨も動いているような……しかもこの溢れ出るようなエネルギー………まさかこれが戦闘能力の上昇!?
いやでも有り得ないどゆこと!?
【中立の王へのミッションが届きました】
【ミッション:他勢力の壊滅。成功:マスターとの対談、失敗:永久的な死亡】
マスター?死亡!?他勢力ってたぶんさっき見た王達のことだよな?しまった寝るんじゃなかったよ!1人じゃ何もできないじゃないか!いやまてこの溢れ出るような力……もしかしたら俺の想像を遥かに上回る力なのか………てことはあの宗久達にも勝てる、?!
…………なんか久々に希望を感じれた気がする。勘違いでもいい!けどこの感覚最高だ……!この夢か現実か分からない曖昧な状態だけど……やってやるだがミッションなんかしない。俺の目標は宗久たちを殺すこと!そしてマスターと呼ばれる男に直接感謝する!
まずは街に出ようか。あいつらは暴虐の王の元へ行くと言ってたよな。確かあそこは東区だったよな。ここからめっちゃ遠いけど向かうしかない。
すると人の気配を感じた。その数15人?凄いな……五感がものすごく研ぎ澄まされている。
「いたぞ!お前らいくぞ!!!」
一斉に奴らが俺にかかってきた。よく見たら頭の少し上に白色でこう書かれていた。
【風の王】
つまりこの人らは風の王を選んだ人達か!……ん?この人たち剣を持っている!?
「おらぁ!!!」
「うお!?」
まてまてまて!日本ってそんな……いや、今こんな状況で常識を考えるのは逆にダメだ。なんらかの現象で全てがおかしくなっている!多分他の王に所属した人らも俺と同じようにミッションがあるんだろう。それも【他勢力を壊滅させろ】と。
すると急に彼らの動きが止まった。
「え、中立の王………?おい!そんなのあったか?」
「確かに!なんだこいつは!?しかも黒だと!?」
黒?てかそーか。みんな知らないのか。………寝ててたらこーなってましたって説明するのはなんか間抜けなやつみたいで恥ずかしいし、。説明しなくていっか。
「誰かなんてどうでもいいでしょう」
戦闘経験なんて何も無いけど何故か全て分かる……この人らの動き、一挙一動が!!そしてスキル!
「《神速》」
「ぐはぁぁあ!!?」
一瞬にしてこの15人を真っ二つに倒した。自分でも顎が外れるくらい驚いた。俺こんなことできんの!?!
……………でもなんでだろう。人の死体とか見たら正気で入れるはずないのに俺は今平然としちゃってる。てゆかまずなんで人殺すことに抵抗無かったんだろう…。!?よく見たらこの人達の中に見たことある顔の人もいる。そんな人を手にかけてしまったのか………。やっぱり何も思わない。思えばこの人達も平然と俺のことを殺そうとしてきたよな。絶対普通の人なら躊躇うはず………。
平然とできてしまう………だけどなんだこのやり場の無い怒りは。
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