たったひとりの英雄として復讐する
@kurocat33
第1話
「今日はこれにしよう」
「う、うわ!!?」
「ドロップキーーーーク!!」
「おおすげえ威力!さすが宗久くん!!ひたのやつ死んだんじゃねぇー?w」
3-Eと書かれたこの教室に昼休みにも関わらず5人の男女がたった一人の男に対して激しい暴力行為を繰り返していた。暴力を受けている男は砂丘ひた、そして暴力を中心的に行っている男は田中宗久だ。いつものことかのようにクラスメイトはスルー、そのうえ先生も自分の評価のため静かに扉を閉めてスルー。誰も助けやしない。
「んーもうちょい威力上げたいからもっかいだ。立てよカス」
「……」
「宗久くんがいってんじゃん!立てよ!!」
この女は猫川ゆな。柔道部の宗久くんの彼女である。こいつは何かと宗久にくっついて好き勝手やっている女だ。
そしてその隣にいるのが田川玄樹。こいつはなんというかお金を渡して宗久の隣で好き勝手やってる金魚のフンだ。だけど渡す金が高校生の枠を越えていて、宗久はこいつを気に入っている。そして最後に俺に足を乗っけて宗久に便乗しているこの男は佐藤ごう。無口だが、圧倒的ボクシングセンスで高校生の中でこの街No.2の力を持っている。1位は宗久だが。
そして俺の名前は松島ひた。見ての通りこいつらの言いなりだ。
「なんだその目は?」
「ぐはぁ!!」
寝そべっている俺のみぞおちに強力なキックを繰り出した。そう、俺はこいつらの喧嘩の実験相手になってる訳だ。毎日毎日こんな生活………クソすぎる。俺は必ずこいつらに当然の報いをしてやりたい!!たが誰も動こうとしない……こいつらも俺からしたらクソだ。……現実はなにも出来ない、俺に誰か力をくれ!!悪魔でも誰でもいい!!俺に力をくれ…!!
ーーその瞬間微かに光を見た。
すると校内放送が流れる。
《あなた達は今この瞬間からゲームの参加が決定されました》
すると俺たちの前に謎の文字が現れた。この様子にさすがの宗久たちも俺から意識を逸らした。
そして俺の目の前、いや俺たちの目の前にはこう書かれていた。
【内容:東西戦争】【対象:銀河市の招待者】
なんだこれは………殴られすぎて俺の頭もおかしくなったか?夢にしてはリアルすぎるし………うん俺がおかしくなっただけだな。
しかし校内放送はそんなこと気にもとめずに話を続ける。
《今からあなた達にはリーダーを選択して貰います。目の前をご覧下さい》
【風の王:ウィング《西区》】【暴虐の王:アガナ《東区》】
まるでゲームみたいな展開じゃないか、。だけど一体これは…。
「よしお前ら!暴虐の王のとこいくぞ!!」
「おおう!!!」
「え、え?」
すると突然、クラスメイト達は何も困惑することなく扉から飛び出ていった。まるでプログラムされているかのように……。それにあの宗久達が俺のことを気にすることもなかった事がおかしい。絶対どこでも俺をコントロールするために持っていくはずなのに。
なんだ!やっぱり夢か!そりゃそーだよこんな展開おかしいしな。久々にゆっくりできそうだ!夢だけど。こうやって寝てたらいずれか起きる………
【制限時間2時間以内に王を選択しなさい】
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