動物と戯れる
光の家には、僕以外にも犬や猫がいる。
もちろん、そいつらだって構ってあげなければいけないと思う。
思うけど、やっぱり、なんとなく嫌だったりする。
こういう気持ちってのはどうしようもない。
とりあえず、僕はおとなしく光とみんなが戯れる様子を見てるだけ。
別に僕も一緒にいてもいいんだけど、そう、決してみんなと仲が悪いわけじゃないから、勘違いしないように。
でも、やっぱりいつも一緒にいる僕が混じるのは、なんか、ね。
だから、とりあえず遠くからみんなの様子を見てるんだよ。
あ、次郎さんが光に飛びついた。
あれって犬の特権だと思うんだ、僕。
だって猫が飼い主に飛びついて、ペロペロなめたりとか気持ち悪いと思うんだよ。
ってか、まず僕がやったら光に怒られそうな気がするし。
うん、で、そうそう、僕が気になってたのはこれだよ。
光、次郎さんになめられた途端、急に変な声が聞こえてきたんだよ。
「んふふふふふふ……」
どうやら、光さんの笑い声らしいんだけど、なんか様子が変なんだよね。
「ひ、光さん……?」
やっぱりただならぬ気配に、思わず僕は声をかけてしまった。
と、光の声が止んだ。
少しして、光はこちらに顔を向けた。
「何」
いつもの光だ。
だけど、なんか怒ってる?
「いや、なんか今変な声が聞こえてきたんだけど……」
「気のせいよ」
「そ、そう」
僕は光の言葉を素直に信じるしかなかった。
だって、なんか光怖かったんだもん。
でも僕は知ってる。次郎さんだけじゃないんだよね、あの声出すの。
なぜかオスの犬に対してだけ起きる現象なんだ。
僕はそれを知りたいと思うんだけど、なんだか知るのが怖くて、調べられずにいるんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます