第13話

「なんだあれ?」と見ていると海から川を登ってきているようです。


だんだんと近付いてくるのを見ていると、それは10mくらいの太い蛇のような感じで、ぼんやりと光ながら水面を蛇行して進んできます。

泳いでいるという感じではなく、水面の上を這ってくるような感じでした、


「なんだろう?」と思った俺は距離があるけど近付いてくれば細部が見えるかもと、ずっと見ていました。不思議と怖い感じはしませんでした。

すると光る蛇みたいなやつは岩山に上がるとくねくねとしながら登っていきました。


樹木に遮られてますが、かすかに光が登って行くのが見えます。

その始終をぼんやりと見ていた俺は猛烈に眠くなり、その場で寝てしまいました。

俺が戻らないので心配して見に来た親父に起こされて目が覚めた次第です。


光る蛇のことを話しましたが、寝ぼけてたんだろうと一蹴されて終わりました。

俺もやたら眠かったのでそのまま部屋に戻って寝たのを覚えています。


朝になり岩山を見ましたが、いつもの岩山でした。

その後、家族とではなく友達と幾度かその旅館に行きましたが、見ることはありませんでした。

あれはなんだったのだろうと今でもふと思います。

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