不思議なものを見た話
第12話
俺は高校になるまで毎年、夏休みは家族で伊豆の方に旅行していました。
泊まる旅館もいつも同じ。
その旅館は目の前が海で、川沿いに建っていました。
川を挟んで大きな岩山があり、樹木が生い茂っていて頂上には赤い社が見えます。
あんな道もなさそうな岩山の上に誰が行くんだろうと、ずっと不思議に思ってました。
あれは中学二年の頃だったと思います。
家族でいつもの旅館に泊まった2日目。
夜の11時くらいに温泉に入りたくなり1人で大浴場に行きました。
他にも何人か先客がいましたが先客が出るまで粘って、最後は一人で貸切状態を満喫しました。
大浴場を出ると廊下の突き当たりに自販機があり、ジュースを買って窓の外を見ていました。
網戸には蛾が何匹もくっついていて、外からは波の音が聞こえてきます。
真ん前に見える岩山は真っ黒で昼とは全く違う印象でした。
ジュースを飲みながらふと川が海に流れ出るあたりを見てると、海の方にぼんやりと光るものが見えました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます