第8話

私はその時声を出すこともできず、あまりの恐怖に思考が飛んでしまったんです。

それは先輩も一緒で、驚いた顔のまま固まってしまいました。


振り向いた女の人の顔はまるでパッチワークのように皮膚が縫い付けられていて、それは服から出ている肩、腕、脚、全身の皮膚がつぎはぎでした。

赤黒く見えたワンピースは、血みどろなのだとこのときわかりました。

女の子も同じで、普通なのはおさげにした髪だけで、女の人と一緒で体中がつぎはぎです。


「見られた…」女の人が言いました。

「そんなところにいないで、こっちにおいでよ~」

女の子が口を大きく開いて笑いながら発した言葉は、まるで背筋が凍るようにゾクッとしたんです。


その時に我に返った私たちは悲鳴を上げて走り出しました。

なぜあんなのがいるのか、あいつらは何だろうか、そんなことを考えている暇はありません。とにかく走りました。

走って後ろを見ると、なんと女と女の子が私たちを追ってきます。

「うわっ、やべえ!!」

「どうしよう?どうしたらいい!?」

「いいから走れ!」

背後からはケタケタと女の子の笑い声がします。

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