第6話
廃墟特有の鼻につくようなカビと埃の臭いがします。
病院の中は荒れ放題で下にはガラスの破片もあるから注意して歩きました。
ジュースの空き缶やらお菓子の袋も落ちています。
「あれ、なんか静かになった」
私が気が付きました。
さっき入った時は上の方から悦子や陽子の笑い声が聞こえたり、B先輩C先輩の声も聞こえていたのに、それがぴたっと止んでしったのです。
「どうせどっかに隠れて俺らのことビビらそうとしてんじゃね―の」
「あっ、そういうのね」
A先輩に言われて、私も納得しました。
私と先輩は、それから3階4階、そして5階と見て回り、レクレーションホールに近づきました。
すると、レクリエーションホールの入口からうっすらと明かりが漏れています。
「あれ、明かりついてない?」
「あ、ほんとだ。じゃあそこにみんないるんだな」
廃病院なので電気は通ってませんから、てっきりみんなが懐中電灯で明るくしているんだと思いました。
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