第2話
「護身用のつもりで持ち歩いてた。でもまさかほんとうにやっちまうとは思ってなかったよ」
その日もいじめグループは昼休みに伊勢谷さんを校舎の裏に連れて行こうとした。
「そのときカッとなってね……
ポケットに入れてたのを取り出したんだよ。
これで相手はビビってなんにもできないと思った、でも1人が笑いながら近づいてきて……
俺は斬りつけた。それで初めて相手も驚いて……
相手の腕から流れる血を見たら怖くなって逃げ出したよ」
「そのときにナイフは?」
私が聞くと頭をふりながら
「中庭まで走っていったときに自分がナイフを持ったままということに気がついてその場に投げ捨てたよ」
話している伊勢谷さんの顔はどこか昔を懐かしんでいるようだった。
そして悲しそうでもあった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます