　大戦後に東西に分断され、日本国を名乗る東側の政府と、大和国を名乗る僕達の政府の、いわば二つの大和が存在する現在、両政府は互いに競い合うように紛争地へ自らの軍団を送り込み、先進各国からの支援の獲得を主眼に置く外交方針を取っている。東側政府はソ連邦と中華人民共和国からの、西側政府は英米仏からの支援を常に求めている。ある亡命思想家は今の分断された列島をこう表現した。この四つの島で構成された列島には、二種類の乞食がいる。二種類の乞食はよく似ているが、大きく違う点が一つある。片方は稲穂を持って赤い服を着ており、もう片方はレンチを持って白いツナギを着ているのだ、と。