第2話
後世において第四次中東戦争、ヨム・キプール戦争、十月戦争などと呼称されるこの戦闘が開始されたのが一九七三年十月六日、午前四時。現在、僕達大和空軍"剣"編隊が展開するオフィラ空軍基地に僕らが到着したのが、十月六日の午後八時三七分……この早さには訳がある。
そもそも僕ら"剣"編隊は開戦以前にはイタリアに居た。表向きは技術交流ということだったが、実際はそうではない。少なくとも、僕達の政府は中東戦争の勃発を半ば予知していた。九月時点で生じていた中東諸国の軍事演習、ラタキアにおける空戦を戦争の予兆であると確信していたのだ。――政府の予想通り、戦争は勃発した。僕達"剣"編隊はローマから移動し、タラントを経由。民間機のフリをして、僕達はオフィラ空軍基地へと辿り着いた。
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