第7話 剣神様と大賢者様のお孫様だと……
「クリスティー公爵!これは一体何事ですかな?
突然、騎士を連れ、魔道飛行艇でやって来て、
私が、第ニ王子から預かる騎士達を無惨に……」
100人近くの騎士を引き連れ、サンチェス侯爵がやってき来た。
ニヤニヤと余裕のありそうな素振りをしているが、
良く見ると頭から冷や汗が出ていた。
「何を白々しい……貴様。我が娘を
「何の事ですかな?言いがかりも
200人もの騎士で、50人の騎士を襲うとは……」
「え?この騎士達をやったのは僕だよ?」
「何だ、このガキは?
ふざけたことを言っていると、ただでは済まさんぞ!」
「もう一度言ってみろサンチェス。
我が娘の恩人を、ただで済まさんと?
いったいどうすると言うのだ?」
「こ……このガキがふざけた事を言うから……」
「このガキ?サウザー剣神様と、
メリーアン大賢者様のお孫さんが何だって?
この少年に手出ししたら、お前はおろか、
この国が滅ぶやもしれんぞ?」
「け、剣神様と大賢者様のお孫様だと……
しかし、このガ……少年が騎士を殺したと言うなら、
ただで済ますわけには……」
「未だそんな事を?ちょっと待ってね?」
馬車の荷場所から、布に包まったものを持ってくる。
クルクルっとすると、中から足と手がなくなった人間が出てきた。
「ねえ、おじさん、そろそろ起きてくれない?」
「ふわ〜〜よく寝た」
「やあおじさん。おじさんが役に立つ時が来たよ。
おじさんが何をしたか、このハゲの人に言ってみてよ?」
「ふわっ?俺か〜?俺はぁ〜 そこに居るサンチェス侯爵閣下に命じられ〜
クリスティー公爵の所の娘を〜攫いに行ったんだよ。
クソ強いガキ……そう……お前だよ?お前……
お前にコテンパンに返り討ちにあったがな〜ファハハハッ……」
「こう言ってますよ?」
「知らん知らん知らん!そんなやつも、そんな命令も!」
「閣下!私、あの男、見覚えがあります。
合同訓練の折、会っております。
確かサンチェス侯爵家所属騎士団の副団長……
ええ〜と……アンドレとか言ったかな?
……だと思います」
「だから、私は知らんと……」
「この期に及んで、見苦しい。
そんなもの、王都に戻り名簿を確認すれば、一目瞭然ではないか?」
「はい、それともう1人、今また
「あはあは……実行犯で〜すぅ〜」
「この者達はどうしたんだ?レオナルド君が?」
「少しの間、正直者になって貰ってるだけです」
「この2人、大事な証人だ!ひっ捕えろ!」
「……こうなっては仕方ない、おいお前達、こやつらを生きて帰すな!」
「「「「……………………」」」」
「何をしている貴様ら?!」
「……この戦力差……どうしろと仰るのです?
……我々は、もう
「ええ〜い!ふざけるな〜!」
「おいそこの、サンチェスの騎士達、
お前達に争う意思がないのであれば、
お前達自らサンチェスを捕らえよ!」
「「「「はっ!」」」」
「さて、レオナルド君、君には何とお礼を言ったら良いか……」
「前も言いましたが、ティアナは僕の友達です。
困っていれば助けるのは当たり前、礼にはおよびません」
「そうは言うがな……まあ色々聞きたい事は山積みだ、
ゆっくり話を聞かせてくれ」
「貴方?まずはお食事よ?レオナルド君お腹ペコペコなんじゃない?」
「はいっ!もうペコペコです!」
「それは良いが……まずはレオナルド君を離してやれ……
いつまで抱き締めてるつもりだ?」
「そうよ!離してあげて下さいお母様」
「……だって……あの子が帰ってきたみたいで……」
「あうのこぉ?」
「ほら〜胸に埋まって、ちゃんとしゃべれてないじゃない?も〜」
「あらごめんなさい」
「ふ〜苦しかった……あの子って?」
「うむ……それは……おいおい……先ずは……
サウザー剣聖様と、メリーアン大賢者様が、
レオナルド君の事を、孫だと言っているのだが……
歳……と言うか……そもそも年代が合わない……
そもそも、お子さんは居なかった筈だが?
それにしてもお二人がご健在だったとは……おいくつなのだ?」
「100歳ちょっとだって……大嘘だよね?
じいちゃんもばあちゃんも歴史の本に載ってるもんね?
200年前の魔族との戦いで大活躍したって。
僕にとって100歳も200歳も、すごい歳だって事で、あまり変わらないのに……
歳誤魔化すなんて面白いでしょ?うちのじいちゃんばあちゃんは?」
「確かに……君から見たら大した違いじゃないかもな?」
「でしょ? で、孫かって言うと、血は繋がってないけど、確かに孫かな?
その辺の孫よりよっぽど可愛がられ、良くして貰ってるよ?
厳しい時もあるけどね……
サンドラの役場に行けば分かるけど、
僕、2人の養子になってるから、正確には息子になるのかな?」
「そうか……で、君の本当のご両親の事を聞いても良いか?」
「母さんが、僕の事を頼める位の仲なんだから、
じいちゃんもばあちゃんも色々知ってる筈なんだけど、
教えてくれなかった……
父さんは、僕が産まれる前に亡くなっていて、
母さんは何故か、人目を避ける様に暮らしていたよ?
5歳の時にその母さんが、病で亡くなり……
何度か聞いた事はあるけど、いつか自然にわかる時が来るからって、
何も教えてくれなかったんだ……
だから僕は、自分が何者なのか知らないんだ。
その辺の事、手紙に何か書いてなかった?じいちゃん達は知ってる筈だよね?」
「ああ、確かに君の事は書いてあったよ?でも今は私の口からは言えない」
「どうして?」
「レオナルド君は、知りたいのかい?」
「まあね……でもどうしてもって訳でもないよ?
じいちゃんばあちゃんに育てて貰って幸せだったからからね」
「だったら、今は話さないで欲しいと書いてあったから、
言える時まで待って欲しい」
「うん分かった。それで良いよ」
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