第6話 えっ!嘘!に、兄様?
〝ガシャ〜ン!ガシャ〜ン!ガシャ〜ン!〟
「良いんですかそんな大きな音を立てて?」
部屋の壁は、既に崩れて、中が見えているのに、
結界に
「かまわん!もう時間が無い。この際、人目など気にしていられん!」
〝ガシャ〜ン!ガシャ〜ン!ガシャ〜ン!〟
「一体何なんだこれは……目に見えない何かに阻まれて先に進めん……」
「魔法の結界でしょうね?こんな丈夫な結界は初めてですが……」
「魔法か?だったら魔道士を呼べ!今直ぐにだ!」
「未だか?魔道士は?遅い!」
「もう間もなくかと……あっ!あれでしょう?来ました!」
「待ってたぞ!お前達、この結界を解除出来るか?」
目に見えない結界に触れ、何やら調べる魔道士達。
「こりゃまた、厄介な結界ですな……どんな魔道具を使ったのか……」
「魔法ではないのか?」
「ここまで強固な結界魔法を使える者はおりませんよ?
何か、魔道具を使ったのでしょう」
「難しいのか?とにかく解除出来るのなら早くやってくれ!」
「出来ますが……普通なら1日掛ですよ?これは……」
「1日掛かりだと?それでは間に合わん。
こいつらの仲間が来るかもしれんからな?
隊長達が戻ってないのは、どこかに仲間が潜んでいるとも考えられる」
「普通なら……と言いました。
呼ばれた時に、結界を解除すると聞いておりましたからな。
我らの、この魔道具さえ有れば、ほんの数秒……」
透明だったレオナルドの結界が白く濁る。
〝パリ〜ン!〝結界が砕けて消えてしまった。
「おお!よくやった! ふん……手間取らせやがって……
ん?ガキは2人だと聞いていたが?」
「1人しか居ませんが、
ほら、よく出来てる似顔絵です……」
「仕方ねえ。そいつを連れて行くぞ。そっちの女は殺せ」
「殺すんですか?もったいねえ……
おい、お前ら! あっあれ? お前らどうした?」
後ろを振り返ると、既に後ろに居た数人は倒れていた。
「こ、こいつら死んでます……」
「何だと?いつの間に……誰もおらんぞ?何者の仕業なんだ……
急げ!外の奴らを呼んできて、そのガキを連れて行くんだ!
おい!どうした何をしてるんだ!」
その問いに返事はなかった。
〝ドサッ!〝
「おい!しっかりしろ!」
「その人もう死んじゃってるよ?おじさんも、もうおしまいだよ?」
「えっ!嘘!に、兄様?」
レオナルドの姿を見て、ティアナが、そう叫んだ。
「違う、僕だよティアナ。ごめん、遅くなっちゃったみたいだね……
怖い思いさせちゃったね?大丈夫?」
「レオ?……レオなの?どうして?その格好……
兄さんのロングコートを……」
「これ?ティアナのお兄さんの物なの?
空を飛んで、超寒くて震えていたら、寒いだろうからって……
ティアナのお母さんから貰ったの」
「そうなの?その服は誰にも触らせなかったんだけどね……」
「そんな大事な服だったの?良いのかな?貰っちゃって?」
「良いんだと思うわよ?お母様がそうしたのなら……」
「そ?じゃあ遠慮なく貰っておくね。
これ、かっこいいよね?すごく動きやすいし。
耐魔法の効果も付与されてるみたい」
「うん、とっても似合ってるわよ。世の中で1品だけの特注なのよ」
「似合ってる?そう?へへへ……あっ、おじさん逃げないで」
「こ、このガキ……こんな事して、ただで済むと思うなよ?」
「うわ〜自分が大ピンチな時に、それ言う?
お芝居とかで出てくるそんな台詞、よく恥ずかしくなく言えるね?」
「くっ……」
「あ、ちょっと恥ずかしくなったんでしょ?」
「ねえ、レオ。その人を
外にも沢山の敵騎士がいるの……
お父様に会えたんでしょ?どうなったの?」
「ああ、外の騎士は、もう片付けたから心配ないよ?
公爵様は、もう直ぐ魔道飛行艇で騎士達を連れてくる」
「外の兵が片付いただと?お前がやったとでも言うのか?ふざけるな」
「
「外を見てみれば?もう1人も居ないから……」
「そんな……バカな?……50人は居たはず……」
「50人?そんだけしか居ないのなら、
わざわざ助けを呼びに行かなくても良かったな……」
「………………」
「ティアナ!無事か?どこも怪我は無いか?」
「お父様!大丈夫です。この子……レオが助けてくれました」
「そうか、レオナルド君、本当に有り難う!
何とお礼を言ったら良いのか」
「いえ、別に……ティアナは友達ですから。
ギリギリだったけど間に合って良かったです」
「この倒れている大勢の騎士達は誰が?まさかレオナルド君……」
「はい、宿を囲んで殺気を撒き散らしていたので……」
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