第4話 僕は戻れない

僕には色々と戻れない場所がある

それは故郷だったり実家だったり

全ての前職の環境だったり

架空の海岸の海の底だったり

月の映える幻想世界の中だったり

万能者的な妄想の中だったり

本当に色々で

それはそれでいいと思っている

妄想は楽しいけど何処か興醒めしてて

剥離症状を引き起こしているし

乖離症状も引き起こしているわで

何処か現実離れを逆にしてる気もする

妄想は妄想で楽しめばいいのになとも

思ったりもしているのだけど

もう時既に遅しで楽しめなくなっているし

だからといって核心的な現実の正体を

掴めているわけでもないからなんか虚しいんだ


とりあえず、僕は戻れない

来た道の逆行なんて出来ないし

気を紛らわせるために煙草と珈琲を

愛している……ふりをしている

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