第27話
相手方の希望で私は明後日にここを出る事となった
そして今日は私が客を取る最後の日
外には美しい満月
あのお方に会える最後の日
ドクンドクンとあの日のように高鳴る心臓
そして襖の開く音がした
「ようこそおいでくださいました」
震える声で挨拶をし
顔を上げると
「どうして、お前はいつも泣いているだ?久しいな、桜花」
「らいっ...こ...さっ」
堪え切れない涙が1つまた1つとこぼれ落ちやがてそれは嗚咽へと変わっていった
いやだ
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