第20話
店に戻った私は案の定主人に見つかり、お仕置き部屋へと連れて行かれる事となった
両手に重い石の手錠をかけられ、震える身体で扉を開ける直後
「お待ちくださいませ」
凛とした響いた
「この子が仕出かしたことは、姉であるわっちの責任。どうかこの夕霧に免じて許してやってはくださいませんか?罰はこの夕霧が如何様にもお受けいたす所存でありんす」
主人の目の前まで歩いてくると、跪き美しく頭を下げたのは
私が仕えていた夕霧姉様だった
姉様の助言のおかげで今回はお咎めなしで終わった
それから
3日間、姉様は本来ならばありえない複数のお客の相手を同時にすることとなった
「姉様、どうして」
理由を聞いても姉様はただ小さく微笑むだけ
遊郭一との声も名高い姉様が下級の女達のように複数の男を同時に相手にするなど屈辱以外何者でもないはずなのに
もしかしたらこの時
姉様はすでに悟っていたのかもしれない
姉様の命がもう長くないことを
それから5日後
姉様は静かに眠りの世界へ旅立った
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます