第12話
どんな金持ちといっても、そう頻繁に花魁を買うことは
できない
この男も、せいぜい月に1・2回が限界
それなのにあの自信はいったい?
まるで毎日会いにくるかのような
そんなの金銭的にありえな
だとすれば...
方法がないわけではない
花魁は希少価値が高く早々出来る方法ではないが
身請け
それは一部の女達からすれば憧れであり
多くの女達からは恐怖を煽るもの
そのなの通り
身を請る
大金を払い花魁を買い取ること
じんわり嫌な汗が染み出す
下級の女を身請けするのでさえ家を買うほどの金がいるというのに、花魁ともなればそれは想像すらできない
並みの商人が一生かかっても稼げるかどうか
あの男とてそんな金はないはず
でも
もし、身請けなんかされたら
もうあの人には......
ドクンッと心臓が嫌な音を立てる
目の前が真っ暗になりぐらりと頭が揺れ立っていられなくなった時
「失礼いたします。...姉様?姉様!!」
間一髪、湯浴みを伝えに来てくれた菊のおかげで床に倒れることはなかった
「どうされたんでありんすか?」
いつもは気にならない花魁コトバも今は不快感ではない
菊の問いかけに応えることもできず
波のように絶え間無く襲ってくる不安と焦燥感に狂ってしまいそうだ
誰か......
助け......
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます