第10話

もう我慢できない。とでも、いうかのように、ほとんど突き飛ばされたのと変わらない力で押し倒される




そこから後は、ただ本能のまま




身体を這い回る舌や指に合わせて、身体を震わせ喘ぐだけ




演技なんて必要ない。ここへ来てから長い時間をかけ、お客を取るためだけに開発された身体は、どんな些細な刺激でも感じるように酷く敏感になっている




何度耐えきれないと、身体を震わせだろう



寅の刻を過ぎいつの間にか外が薄く色づきだした頃

静かに障子が開いた

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