愚才な武術家と天才少女達魂の伝承 第十四章 友歌の星、愛の否定と肯定

不自由な新自由主義の反乱児

愚才な武人と天才少女達 第十四章 友歌の星、愛の否定と肯定

そうして現地に到着して、船が友歌達の惑星に到着しました。

ユリが言う通り、見渡す限り砂漠で、いくつか地下への入り口のようなものが

見えるだけです。

マリ達、使節団がユリと一緒に船の外に出て、大型輸送バスで入り口近くまで

近づきます。

自動でエレベーターのように、建物が砂漠から浮き出て、そこから五十人ぐらいの人が出て出迎えてきました。

ヒロとシュウは使節団の護衛で、近くに待機していました。

シュウが【地下に空港の入り口が有る感じか?】とヒロに言います。

ヒロが【どうだかな?ユリの図面だけでは、正直信用も出来ない

使節団になるべく詳しい情報を、知らせて貰うしかない】と答えた。

【しかし中に男を入れないと言うのも、おかしな話だ、人数的にそんなに警戒する

人数でもあるまいし】とシュウが言う。

ヒロが【他民族を信用しない事は、良くある話だ、特に資源の奪い合いをするような環境ではな】と言う。

地下から上がっていた入り口が、元の地下に戻り、ヒロとシュウは船に帰って

連絡を待った。

マリ達が中に入ると、ホントに空港のトラベーター(動く歩道)のように

移動していく。

そして広い所に出ると、更に多くの人数が出迎えて居た。

その中に男の護衛の兵士も二十人ぐらい居た、他は女性の様だった。

その女性たちの中心に、友歌が居てマリ達を出迎えた。

友歌が【良く来てくれましたね、貴女方を歓迎します】と言う。

穏やかだが、なんだか冷たい感じをマリは感じた。

ユリがマリに【友歌ちゃんよ】と言うと【お会い出来て嬉しいです、長年貴女に

合う事が夢でした】と答える、ユリが【立ち話も何だから、移動して皆で座って

話しましょう】と言う。

場所を移動すると、椅子と机が置かれていて、マリ達、使節団と友歌達が対面で

話が出来るように設定されていた。                       ユリはマリたちの机に座って、マリの右隣に座り、左にはチヅルが座った。

友歌が【今日は疲れているでしょ宿舎を用意しているから、そこに荷物を降ろして

ゆっくり休んで下さい】と言い。

更に【夜はささやかな、食事会と親交の場を催します、楽しんでください】と言った。宿舎の部屋に入り美樹がマリの部屋に来て

【姉様の母様、凄く若くて綺麗ですよね、でもなんかここって変じゃない、

女の人ばかりで男が少ない】と言う。

マリが【そうね、どう考えても不自然な気がする、ユリちゃんに色々

聞かなきゃ】と答える。

美樹が【私が姉様のために、色々調べる、私、誰とでも友達に

成る才能有るから】と言う。

マリが【そうだったわね、頼りにしてるわ】と言う。

地球で言う夕方になり、歓迎の宴が模様され、この星の人たちとマリ達が

入り混じり、決められた席に着く。

マリとチヅルは、友歌と側近らしき女性と、同じテーブルで有る。

マリが地球から持って来た、お菓子やチョコレートをプレゼントとして

友歌に手渡し【パパからチョコレートやお菓子が、好きだったと聞いたの

美味しいので食べてください、船にもカカオ豆やお菓子が積んでるので

良ければ他の皆さんにも食べて貰ってください】と言うと。

友歌が(ありがとう、でも地球での事は、余り覚えてないのよ)と言う。

それを聞いて、チヅルとマリが顔を見合わせ驚いた。

チヅルが友歌に【この星の産業は、どんな物が有るのですか?】と聞くと

【産業と言っても、全て国が管理してるのよ衣類、食料、技術、建築、教育全ては

一括でこの中央で管理してるの】と友歌が答える。

そして【大半はAIシステムが一括で管理してるの】と言うとチヅルが驚いて

【システム自体は無理でも、設備とか参考に出来る場所を見せて頂けませんか、

機密の内側部分以外で】と聞くと、あっさりと承諾された。

使節団はそれぞれのテーブルで、この星のリーダーたちと話をして親交を深めると

共に、それぞれの専門の分野で、情報を聞き出した。

農業、工業、建設、医療、教育、文化、驚くべき事に、大半がAIのシステムが

決定した方向で動いて居るのだ。

美樹は若い人達と親交を作り、家での生活などを聞いてる。

音楽や芸能、食べ物、恋愛について。

何より驚いたのは恋愛と言う理念が、この星に無いのだ。

恋愛などと言うのは昔の話で、人口の管理そして、受精なども医療の一つとして

行われていると言う。

音楽や画像などもAIが作ったり、決定したりしている。

美樹が直球で、男性がほとんど居ないのは、何故なのか聞いてみた。       一つはこの国で、大きな内乱が起こった事。

男性だけがかかるウイルスが、大流行して 男性が殆ど死んだこと。

そして何より、男性の生まれる人数を、AIが制限してると言うのだ。

恋愛や結婚と言う概念も無い、子供を育てるのは母親だが、それも社会の一員の

法で定められた義務としてAIの指示に従って行われる。

母親に何か有れば、社会が責任を持ち育てるシステムが、構築されていると

言うのだ。

パーティーが終わり、宿舎に帰り、娘たちは集まって話をした。

ユリから聞いて無いことが、多すぎる。

交渉と同時に調べるべきことが多くある。

美樹がワクワクしてアリサに【エースが活躍するときが来たね姉様】と言う。

アリサが【ちょっと落ち着け、美樹ちゃん、大事に成るから】と言う。

チヅルがアリサに【これが意外性の娘って事?】と言う。

【先生がいつも悩んでいるの】とアリサが答える。

美樹が【何を悩んでいるの姉様】と聞くと

【アンタのそう言う所】とアリサが答えるだ。

マリが美樹の頭をなでながら【チームのエースだから皆心配なのよ】と言う。

美樹が【姉様、先生に連絡しないと心配する、先生、気が小さいから】と言うと、

マリが【そうね、パパは超がつく心配性だから、美樹ちゃん連絡して】と言う。

美樹が通信機でヒロに連絡して【メーデーメーデー先生、生きてる?】と言う。

ヒロが【そっちこそ皆、無事なのか】と聞くと【元気、元気、それより大変なの、

ここは男がほとんど居ないの、そして恋愛とか結婚の制度が無いんだって、

新しいワクワクを期待していたのに】と言う。

ヒロは訳が解らず【そうか、それは残念だったな、とにかくお前は無茶な行動は

するなよ、姉様たちの指示を聞いて行動するんだ】と言うと。

美樹は【大丈夫だから、明日から、新しいワクワクを探して冒険するから】と言う。

ヒロが【そこにマリが居るなら変わってくれ】と言ってマリに変わって貰う。

マリが【パパこっちは大丈夫だから心配しないで】と言う。

ヒロは【マリ、友歌に会えたのか、元気だったか?】と聞くと

【元気だったけど様子が変なの、ここの星は少し変、兵士も人口も少ない理由が

すこし解ったわ、暗号でそれぞれのチームがレポート送ると思うけど

もう少し調査も必要】とマリが答えた。

ヒロはとにかく、無茶はするな、こまめに連絡をくれ)と言って通信を切った。

シュウがヒロの所へ来て【兄様、連絡有ったか?】と聞く。

ヒロが【予定通り、パーティーも無事終わったようだ、しかし可笑しな事を

言っていた、男がほとんど居ないとか恋愛も結婚も無いとか】と答える。

シュウが【指令部にもそんな連絡が来ているらしい、こちらへの敵意なども感じないとか言って居た、科学力やウイルス兵器を持ってる余裕なのかも知れない、

 本当に地球の人類を滅ぼすことなんか出来るのか?】と聞く。

ヒロが【とにかく調査をもっと進めないと、そして相手との交渉が進まないと判らない、マリアもこっちに来なければ】と言う。

シュウが【相手がこちらに攻撃してきた時の準備は進んでいるのか?】と聞き。

ヒロが【カモフラージュした車両は配置されたみたいだ】と答える。

更に【一番の問題は使節団が無事逃げる事が出来るルートの確保だろ】と言う。

シュウが【施設で派遣されているエージェントがしっかり調べるだろ。

基本に成る図面は有るんだから】と言う。

翌日、マリ達は宿舎で朝食を取りながらユリに会い色々質問をした。

ユリはこの星のAIのシステムの考案者の一人で有る事

この星へ友歌が帰って来た時、男たちは内乱で争い続けて、社会もインフラも

荒廃してたこと、そんな時、男性にだけ流行するウイルス性疾患が大流行したこと、

そんな環境で友歌が心の病にかかり、多重人格化したこと、AIの判断で男性の数を

減らしながら国を再建する事に成って、今の状態の国のシステムが出来上がったこと

そしてAIが地球もこのシステムを導入しなければ何れ滅びる事を計算したこと。

マリ達には驚愕の事実だった。

確かにAIの計算したことには一理有るようには見える。

男性だけの持つ、Y染色体はろくでもないと、言う学者もいる。

女性にも勇ましい事をの賜る人も居るが、大半は自分の保身や政治的計算の上だ。

計算高さでは男性は女性に及ばない所も多い。

男性の計算高さは男性社会の中でしか通用しない未熟さを持ってる。つまり脅しや 権力的地位などと言う卑劣な武器あってのことだ。

下から上の人間を騙すのも、その地位の優位さでバカな上司を騙せるシステムが

有ってのことだ。

とある大メーカーの社長が、部下たちから煙たがられ国の司法もその社長に目を付け司法と社内の利害が一致して情報を漏らされ、社長もその罠に気付かず、

逮捕されたと言う例はいくつかある。

そんな事をするのも、男のy染色体の成せる事なのかも知れない。

そんな事ばかり繰り返せば、社会は疲弊して滅びるのは道理だ。

しかし余りにも過激で短絡的な計算だ。

マリは【ユリちゃんはどうしたいの?このシステムを作ったのユリちゃんでしょ】

と聞く。

ユリは【私には決める権利はない、友歌ちゃんに責任を負わせちゃったから、

でも出来れば友歌ちゃんを助けて欲しいの】と言い。

更に【マリちゃん達の力を課して欲しいの】懇願した。

チヅルが【AIのシステムを逆に利用して、中止させるのは?】とユリに言うと。

マリが【それでは意味が無いのでは?ここの人たち自身が考えを改めて、

侵略を止めて貰うのが大切じゃないかな?】と言う。

この日もこの国のリーダーたちから、国のシステムや産業の様子を画像を交えて

紹介される予定だ。

そこでこの国の事をもっと深くしり、こちらからも、地球の状況や色々な考えを

紹介する情報交換がされる予定だ。

美樹が【今日の会議、サボタージュします】と言う。

サボタージュとは本来、労働者が労働条件や環境に不満を持ち、工場を破壊したり

する行為が元なのだが、昨今、仕事をさぼる意味で若者が良くい使う。

アリサが【アンタ、何考えているの?先生が無茶するなって言っていたでしょう】

と言うと。

【だってこの国の状況を変えるには、レジスタンスの仲間も集めないといけないし、

この国の本当の姿も見ないと解らないでしょ、スーパーエージェントが

やるしか無いでしょ姉様】と言う。

アリサが【アンタ、本当に危なすぎる、大人しくしてなさい】と言うと

チヅルが【アリサちゃん、この子を動かして見るのも有かも】と言う。

そして【レジスタンスは作らなくて良いから、この周辺の地上を回って

色んな画像や人たちの情報を集めてきて、ただし昼と夕方必ず連絡して】と言う。

美樹は調査のための車を調達するため、船に連絡を取り事前にユニオンが船から

配備していた車を借りた。

ヒロはその件の報告をチヅルから知って美樹に連絡する。

【美樹、大人しくしていろ、と言っただろ、何するつもりだ】と言う。

美樹は【チヅル姉様の許可は貰いました、心配しないで私に任せなさい】と答える。【だから何を企んでいるんだ】とヒロが聞くと。

【この国のシステムは完全に可笑しいよ先生、きっとレジスタンスや反体制を訴える人が居るよ、その調査だって】ヒロが【いやそれは、お前が勝手にやっちゃダメだ

もうお前だけでも船に帰って来い】と言う。

美樹が【何言っているの先生、チャーリーズエンジェルではエンジェルが冒険して

事件を解決するでしょ、私が頑張らないと地球の男がみんな死ぬんだよ、

BTSやセブンテーンも死んじゃうのよ】と叫んで連絡を切った。

ヒロは気を失いそうになる。

そばで見ていたジャンが【どうしたヒロ】と心配して聞いてくる。

ヒロは【BTSが死んでしまうそうだ】とか弱い声で言う。

ジャンが【なんだそれは】と聞くと、ヒロが首を横に振る。

ヒロがチヅルに連絡すると【大丈夫だと思う、一応虫型ドローンを付けて

いるから、それ見張っていて、何か有れば行って上げて】と言う。

ジャンが再度【大丈夫か】と心配する。

ヒロが呆然としていると【まあ落ち着け兄様】とシュウが紅茶を持って来てくれた。

ヒロが紅茶を受け取り【ありがとう、でももう俺はダメかもしれん】と弱気に

なるのだった。

しかしこの星でいったい何が起こったのか、想像しがたい。

男を全滅に近い状態にする、自然発生からなのか、何らかの事故からなのか、

そしてそれを兵器に使えるまで昇華させるものを作った事。

一方でマリは技術交流の時、母親の友歌にききたいことが有った。

マリは友歌に【ママ、ママと呼んで良いですか?】と聞く。

友歌は【当たり前よ、貴女は私の娘、おなかを痛めて産んだ娘、一目見た時に

私の娘だと認識できた】と言う。

マリは【ありがとうママ、私もママとパパが出会って、この世に生を受けたことを

心から感謝しています、ママはパパと出会ってどうしてパパを愛したんですか?】

と聞くと。

友歌が【それが良く覚えて無いの、と言うか解らないのよ、男と言うものを何故好きに成ったのか、孤独からなのか、安心が欲しかったのか、自分の子孫を残したいと

思ったのか】と答えるのだ。

マリは友歌に【ママ、パパの作った料理が好きだったと言ったの覚えている?

マリアママから聞いたんだよ】と言うと

そうね【地球の食べ物が美味しかったは覚えているけど】と友歌が言うと。

【ママ地球では、男性の料理の専門家が多いのよ、勿論女性の人も居るけど、

料理を作る職業は地球では結構な重労働なの】とマリが言う。

友歌が【料理なんか機会がレシピ通り作れば誰でも同じでしょ、ここでは

そうしているのよ】と言う。

マリが【だからなのね、ここの料理は美味しく感じなかった、日本のコンビニで

出してる美味しくないお弁当みたいで、ママにパパの料理をまた食べさせて上げたい】と訴えると。

友歌が【そうね、でも難しいかな】と答える。

チヅルとアリサは、この星のシステムについて良い面、悪い面をどのように

捉えているか、この星の人たちに聞いた。

ここの人たちは、良いも悪いもこの星が持続する、唯一の方法だと信じてるようだ。これでは地球でも全ての争いは、避けられないのでは?と言うのだ。

一方美樹は衝撃的な景色を発見した、元々あった都市の残骸の景色だ。

砂漠に建てられた沢山の建物の残骸が、延々と続いている。

そこで行われた、戦闘の激しさを物語る景色だ。

美樹の乗ってる車は砂漠でも時速400キロで走行する性能だ、砂漠に特化した

走行能力で自動制御も出来る、美樹はご機嫌で走って行くと初めて、農業プラントと

工場のような物が見えた、そこは高い塀で囲まれ、中を虫型ドローンで確認すると、

多くの男性が作業をしていて、男女の兵士やロボットがそれを見張っているようだ。

ロボットも兵士も強力な小銃のような武器を構えている。

美樹は車の中で、誰か人が出てくるのを出口のそばで待った。

美樹はその出て来た人に(ここは何をしてるの農産物の工場?)と聞く。

彼らは【ここは男性の刑務所なの、男性が侵してはいけない罪を侵した人が

終生ここで隔離生活して、働いて罪を償うの】と言う。

その人は女性、もう一人は男性あった、

美樹が【ここは男性だけの刑務所?どんな悪いことをしたの?】と聞くと。

【性為誘惑罪よ、女性に対して性行為を誘惑しようとした罪、殺人と強姦に次いで

重罪よ】と彼女が言う。

美樹がビックリして【性行為誘惑うて、どんな事?実際に無理やり性行為を

やろうとした事?】と聞くと、女性は【それは完全に強姦罪死刑よ、

そうではなくて、性行為を目的として、女性を誘惑する為の、行動言動が

認められたら、有罪の判決が出るの】と答えるのだ。

美樹が【好きだとか言ってもダメなの?】と聞くと【微妙よね、それじゃあ立証が

難しいから、具体的に手を繋ぐ、手紙を書く、二人っきりで外か室内に誘う、

これらがアウト)美樹が驚いて【それじゃ今のお二人もアウトじゃ無いの?】と

聞くと【これは業務上一緒に交代する必要が有った、

それに彼に誘われた訳じゃないから犯罪には成らない】と言う。

美樹が【これに反対する男性はいないの?】と聞くと。

【男性はマイノリティーだし、AIが統計データーにより決めた法律だし、

何より男性の贖罪が有るからね】と彼女が答える。

美樹が【男性の贖罪って何?】と聞くと【今まで戦争で散々社会を壊したこと、

その他に、女性に出産や子育て、家事労働などを背負わして、自分達だけで社会を

動かし、女性の意見を取り入れない社会を作った事よ】と彼女が答えた。

美樹が【そうだけど、それって男性だけの責任?】と更に聞くと。

彼女は【女性は体力が無い理由で、社会から追い出していたのは、男性は

力で押さえつけようとする遺伝子を、持っていることが贖罪なの】と言う。

美樹はそんな男ばかりじゃ無いのに、ウチの先生はいつもヒトミ先生やユウ先生に

こき使われてるし、と思ったが、どちらかと言えば少数か?と思った。

一旦宿舎に帰り、チヅルに報告すると、

チヅルは【思った通りね、ここの歴史教科書や文献を見ると、男性の犯した罪が

様々書かれているわ】と言う。

その中に現代の地球の男性の様々な、悪い部分も強調されていたと言うのだ。

マリが【どんな事?】と聞くと【以前の戦争で、多くのこの星の人が

虐殺されたとか、野蛮な性格で卑劣な作戦を使った、とかマリちゃんには

言いにくい事だけど】と話を止める。

マリが【いいわ、教えて】と言うと【先生がマリちゃんの母様を、人質に取り戦い

多くの人に被害を与えたことに成っているの】とチヅルが言う。

美樹が【酷い、先生はそんな事をする訳が無いのに、でもあの法律は

先生のせいって事に成っているの】と言う。

アリサが【そんなわけ無いでしょ、AIが決めたんだから】と怒る。

チヅルが【一つの法を作る部品には成っているかもね】と言う。

一方、ヒロ達、母船の調査団も、星の中に同じ様な施設を、何個も見つけ

また軍の施設をいくつか見つけた。

軍の施設は、かなり防御が厳重で、大半が地下にシェルターのように

隠されている、その中にいくつか違う色合いの物が有った。

陸兵部隊と航空部隊の違いなのか不明だった。

美樹は翌日ヒロの所に顔を出し、ヒロに昨日の事を告げた。

ヒロもその件の報告は受けていた。

美樹はヒロに【先生そんな悪い事していないよね】と聞く。

ヒロは(どうだかな?向こうにしたら悪いことをやったのかもな)と答える。

美樹は何をやったのと聞く、ヒロは(覚えが有りすぎてどれの事か解らない、

まあ地球でも普通に有る話だろ)と言う。

美樹が【私はコリアンポップが好きなのに、韓国がーとか言う人?】と聞く。

【そうだな逆に日本がーって言う人たちも居る、その中には嘘も真実も有る、憎しみを誇張すれば、悪いことは全て、真実に感じる人も居れば、それが自己愛を刺激され

戦争にまで及ぶ、戦争なんか究極の自己愛が産むのかも知れない】と言う。

美樹が【どうすれば良いの?】と聞くと【難しいけど自己も他も同じように愛する

ことが出来れば、一番良い、金持ち喧嘩せずって言うだろ、どちらも何らかの理由で

心が貧しく成った可哀そうな人達だ】とヒロが答えるのだ。

美樹が【でも先生が可哀そう】と言うと【俺には、お前達が居るし

それで彼らが俺を憎んでも、彼らのせいじゃ無い、自分たちの都合で情報を

捻じ曲げ出している、人間の詐術のせいだ、俺たちだって似たような事を

やるだろ】と言う。

美樹は【もう少し、調べてみる】と言い、昨日とは違う方向に車を走らせ

調査に向かった、そしてその日車で8時間ほど走った所で、ある施設を見つける、

古びた廃墟のような施設に、多くの男性が数百人、暮らして居る。

美樹が【貴方達は何をしてるの?】と聞く。

彼らは元々、色んな場所から逃げたり、厳しい規制が嫌で、社会から自分で

離れた人たちだった。

そしてある人間に、支援を受けて、軍事的訓練を受けているようだ。

彼らの主張は、個々人の自由の尊重と、性善説に乗っ取ったシステムだ。

例え、それが何かの悪行に動いても、悪いのは、悪意そのもので、その悪意の根源を作った社会やリーダーにも、責任が存在する、被害者への救済は、

法の不自由や処罰で処するものでは無いと言う主張だ。

つまり悪行に至った根源を本人に理解させ、改めさせる厚生制度と

悪意が生まれない理想の社会の実現を目指す、主張らしい。

美樹はそれを聞いて、確かに、それが恋愛禁止に繋がったり、誘惑禁止令なんて

と思った、でもそれを解決するのに社会から出て、武器を訓練してと、言うのも

如何なものか?とも思えた。

一方マリは友歌に社会の可笑しさを訴えた。

【ママ、この世界は可笑しい、恋愛や誘惑を禁止したのは何故?パパとの結婚さえ

否定するの?パパが嫌いになったの?】と聞く。

友歌は【好きとか嫌いじゃない、これはAIもハッキリ答えてることだけど、愛と呼ばれる悪魔は数々の不幸を産むの、毎年、色んな不幸が起きる。一見幸せそうに見えて、多くの不幸の引き金に成ったりする。

結婚程不平等な制度は無いわ。子供が欲しければ、管理できる体制を整え適切な遺伝子の受精を行いきちんと育てるべきなの】と言う。

【私は間違って生まれた娘?】とマリが聞く。

【そうでは無いわ、貴女は私の思う以上に素敵に育ってくれた、でも男が女と言う物を求め、愛を欲しがり、様々な争そいが生まれるのも真実よ、愚かな遺伝子保存の  本能の原罪を限りなく抑える事が、人間の生存へのカギで有るのは事実よ】

マリは悲しく成った、何がここまで友歌を決断させたのか、確かに地球の男の多くは

愚かでバカに思える事が多い、しかし逆に可愛いまでの従順で愛らしい所も有る、

しかし男の本能が社会を壊している所は、認めざる得ない、

そこには女性の責任は無いのか?

女性も自分の安全や保身のため力ある男性を選び、力や金を要求しているでは

無いのか?

管理社会、漂白化社会は、本当は自然の原則に委ねるのが、正しいのでは?

一部の人間だけが力や、余計な知恵を持ち、そこに歪が起きている気もする。

ヒロ達先行部隊が来てから一か月たち、地球が9月に成る頃にマリアが

地球から到着した、しかし送られて来た人員は、予定より少なく五十人ほど

荷物の多くは支援物資で有った。

ヒロはマリアに問いただす(これでもしもの時に戦えるのか?)と聞く。

マリアは(戦うつもりは無い、もしもの時は地球に負担してもらう

その時のために戦力は地球に置いて来た)と言う。

ヒロは【それなら俺たちは、来る必要無かったんじゃ無いのか】と言うと。

【来て良かったのよ、この星の事情も解り、話も出来た、マリちゃん達のお陰よ】

とマリアは言った。

ヒロが【俺たち約立たずって事か?】と聞くと

マリアは【もしそうならそれに越した事は無いわね】と言う。

マリ達を含め、使節団は交流を深めながら、この星を調べてる間、様々はことも

解ってきた、この様なシステムも不満や不平が生まれる。

女性の中にも取り残される人間は必ず出来る。

例えば、男性に愛される能力に長けた人は、何故か女性優性の社会で、狭い思いを

する事も多いようだ。

つまり彼女たちは、愛されたい欲求を失った、喪失感に対する不満が溜まって

来ているのだ。

人間と言うのは異性への、容姿の評価が、男性と女性で違う。

女性も男性も同性に対して、そこまで美しいとか評価をしない。

つまり評価される機会を、大半の女性が失った不満が出て来てる。

勿論それを喜ぶ女性も居る。

女性が美しいと褒めたたえる女性は、ホンの僅かなのだ。

つまり男性が美しい、と感じる女性と、女性が美しいと感じる女性の、

基準の厳しさが違う、

男性が男性に対して厳しいのも、同じであろう。

勿論、男がグーの音も出ない位、美しいと思える男性も居るが、

同性に対しての目はどちらも厳しい

よく普通の容姿で、チヤホヤされる女性に、女性が嫌悪感を覚えるのは

それが理由であろう。

まあ愛されたい欲求は、本能として大きな存在なのだ。

チヅルの調査で、そのような人達が隠密裏に、この星で動いて居る様だ。

確かにそれも、人としての権利で有る事は確かだ。

マリは友歌に、このシステムは崩壊を産む、人が人で無くなり人間性を失う

そして生物として存在しなくなると訴えた。

友歌は逆に、地球が何れ男どもの本能で、滅びる事を訴えた。

そんな時マリは、友歌に宿舎に持って行った、電子レンジでチョコケーキを作って

二人で食べ【ママこの味覚えている?】と尋ねる。

友歌は【懐かしいわね地球で食べたわ】と言う。

マリは【これパパとママの味なんでしょ、パパがそう言って教えてくれた、

パパは甘党では無いけど、本当にたまにママを思って作って、たまに食べる事が

有るんだって】と言う。

マリはそれをヒロから教えて貰ったのだ。

友歌の好きなチョコに、ヒロの好きなコニャック、ポールジローを使ったケーキだ。

【これパパとママが結婚した時、パパがママに作ったんでしょ】と言う。

友歌は微笑み【あの人そんな事覚えているの、相変わらず馬鹿ね】と言う。

マリは【私は馬鹿とは思わない、素敵だと思う、だって大好きなパパとママの大切な思い出だもの)と言うと(そうねあの時は楽しかったあんな純粋でバカ正直で・・)

と言い、そこで友歌の言葉が止まる。

マリが【やっぱりパパの事を覚えて居たのね】と言うと友歌は

【忘れては無いけど思い出では生きて行けないのよ】と言う。

マリは思った、思い出を大切にして、今も生きている人が素敵だと。

それから数日後に、大変なアクシデントが起こった、この星の中央のシステムに

障害が起きたのだ。

AI自体の誤作動かそれとも人的災害なのか不明だった。

そこにレジスタンスや不満を抱えた人達も動き出した。

卵が先か鶏が」先か不明で、都市で多くの被害が出始めた。

マリ達も首都機能の中に閉じ込められた。

首都自体は、頑強にシェルター機能を果たしているが、それ以外で、

争そいが起きている。

テロなのか市民の混乱なのか、解らない状況だ。

マリアが現在居るユニオンの兵士たちに紛争を収める指令を出す。

ただし双方に、死者を出さないように、被害を抑える条件でだ。

ヒロはマリアに【またまた無茶ぶりしてからに、どうすんだよ、

相手の数も解らないのに、レジスタンスがどれくらい居るんだ?】と聞く。

マリアが【美樹ちゃんとアリサちゃん達が、秘密裏に動いて調べてくれて居るわ、

流石あなたの娘達ね】と言う。

更に【レジスタンスは全部で二千人、一個小隊が二百人規模、でも素人に近いわ】

と言う。、

ヒロが【それならこの星の軍で対応出来るだろ】と言うと。

マリアが【無理ね、AIのシステムに頼った防衛で、ステムが障害を起こしてる、

そのシステムの上でしか、戦えないお人形さんたちと、素人集団でも一人一人が

ゲリラとして、色んな知恵で生きる力を、蓄えた人間ではイザ人間力で勝負したら

雲泥の差よ】と言う。

ヒロが【十日だ、十日くれるように、友歌に連絡しろ、この都市機能は

船のドローン機能とジャンの部隊で護衛させろ、各地の分散してる連中をこの星の部隊と協力して、抑えて無力化する】と言った

美樹たちから連絡が有り、ヒロの部隊に参加したいと言ったが、マリアがは首都の

中でシステムを壊した、人間の調査をするように命じた。

首都に近い部隊から、ヒロ達は制圧に向かう、最初に美樹が遭遇した人間たちだ。

行ってみると、数の上では友歌の軍が多いのだが、AIで動くドローンに頼った

部隊で多くの犠牲を出していて、攻めることに臆してる。

ヒロが使ったのは例のユリの作った強力な武器で、相手を威圧し前線に出さない様に抑え、後ろから手徒部隊とシュウの射撃部隊で、相手を無力化して拘束する

作戦である。

その他、相手が籠城作戦取った時は、空挺団のように上空から、籠城してる建物に

侵入して、無音のハンドガンや折鶴のような手裏剣で侵入して、睡眠ガスなどを使い

無力化して制圧した。

そうしてレジスタンスの大半を制圧して、拘束したが彼らも気の毒な話ではある。

恐らく誰かに利用されたので有ろう、友歌の星の犠牲者友言える。

反乱や混乱が収まり、娘達や使節団は調査に協力して、レジスタンスの

サポーターたちが判明した、一部は友歌の側近の一部、そしてユリが協力者と

思って居た人間の中にもいたのだ。

原因は政治的な権力欲求、もう、テロを引き起こす、敵の敵は味方と言うのか?

それとも目的達成後また争い会うのか。

混乱が収まり、ヒロはユリに船に来るように言って話を聞いた。

【この混乱は君が起こしたのか?システムを作った君が一番怪しい】

するとユリは笑ながら【私はユリちゃんを助けたいって言ったでしょ、そんな自分で

開発した物に汚名を着せるなんてしない、完璧なシステムは存在しないってことよ】

と言う。

ヒロが【何故、俺たちをこんな所まで担ぎ出した】と聞く。

ユリが【何言って居るの、ここまで来たのは貴方達の意思でしょ、私は貴方達と

私の利益が一致したから協力しただけ】と言う。

ヒロが【君の利益とはなんだ】と聞くと【知的興味と、どうしても必要な地球に存在する資源が

欲しかったの、そのためにこの船も必要だったから、協力した】と答える。


ヒロが【それなら力で奪いに来たら良かったのでは】と

聞くと、【貴方達の指導者ほど私は馬鹿じゃ無い。それを行えば

この星のシステム自体を否定する、勘違いしないでね、ユリちゃんは

本当に地球のために徐々にこのシステムが必要と思っている】と言う。

【ここで反乱起こした人間はどうなるんだ?】と聞くと

【今マリアさんが友歌ちゃんと話をしているようね、彼らみたいな

人はまだ居るでしょう、私が恐れていたのは、地球と戦争に成った時

彼らと地球が結びついて、この星が更に荒廃する事よ】とユリが言う。

【それで俺たちが利用されたのか?】とヒロが尋ねると。

ユリは【だから貴方が地球を守りたい気持ちと、私の気持ちとが一致したからでしょ

だいたい貴方は友歌ちゃんに、未練たらたらで、ここに来たんでしょうが】と答えた。

ヒロは殺意さえ覚えたが一言も言い返せなかった。

そんな時、友歌の政府からヒロ達の軍に感謝状と友歌からの手紙が、送られる事に

成った、それはヒロを名指しであった。

ヒロは男性と言う事で、建物の中には入れず、外での授受で有った。

友歌の代理で賞状を渡すのは、友歌の側近の大臣の女性だ。

娘たちは友歌達が居る、首都の建物の中で、シュウやジャンは母船の中で

眺めていた。

そこで、とんでも無いことが起こったのだ。

その大臣がヒロに副賞の純金トロフィーのような物を大臣が渡した時、

そのトロフィーが爆発してしまったのだ。

ヒロも大臣も爆破に巻き込まれ、起き上がれない。

急ぎ両者を、救急車で運び、大臣は友歌側の施設、ヒロは母船の手術室で緊急に

手術が行われた。

ヒロの手術を友歌本人が買って出て、ユニオンの医師たちと6時間に渡り

手術が行われた。

ヒロは手術が終わっても、2日間生死の間をさまよい、IⅭUで管理された。

娘達は泣きながらヒロに、何度も呼びかけるが目を覚まさない。

友歌が点滴を持って部屋に入った時、マリが友歌を責める。

【ママのせいよ、ママがパパをこんなにしたの、パパが帰らなかったらママを

許さないから】と言う。

すると友歌の目に涙が浮かぶ。

その時、マリアが部屋に来て注射液を点滴に加えようとした。

マリアが【これは掛けよ、ヒロの生命力に掛けるわ】と言うと。

マリもその劇薬を知ってるようで反対する。

助かる確率が50%で半分はショックで死に至ることも有る劇薬だ。

マリは再度、友歌を責めた

【パパを返して、私に取って世界一のパパを、貴女の事を助ける為、

パパはここに来たのに】と叫ぶ。

友歌の目にまた涙が流れた。

マリアがマリに【お止めなさい、友歌さんも辛いの、彼女には彼女の立場が有るの】

と諫める。

その大臣がヒロに自爆テロを仕掛けた理由は、改竄された歴史での地球への憎しみと

ヒロへの嫉妬だそうだ、彼女は一命をとりとめ、友歌を愛して居たことが判明した。

友歌は、いたたまれ無く成り、部屋を出て公邸に戻った。

其の後、注射液を入れて、数十分待つが、意識を取り戻さない、泣き止まぬマリを

美樹が抱きしめ【姉様が可哀そう過ぎる、先生は世界一優しい人なのに】と

号泣する。

アリサとチヅルがヒロの身体をゆすり【先生起きてよ】と大声を出す。

医師たちも諦めたその時、ヒロが目を覚ました、朦朧とした様子でなにか言っている。

マリが【パパしっかりして】と言うと【夢を見たと言う】医師が直ぐに瞳孔や脳波心肺のチェックを行い、頷く、そして言語や痛覚などもチェックして行く

ケガした個所の痛みは酷いが神経は生きているようだ。

娘たちが喜び抱き合ってる。

美樹が【先生何の夢を見たの?三途の川って有った?】と聞く。

ヒロが【三途の川は無かったが悪夢を見た】と言う。

【地獄の夢?】と美樹が聞くと【ある意味地獄だった】と言う。

美樹が【地獄ってどんな所?】と聞くと

ヒロは【水樹やハヤメのババ様や、俺のジジイや、死んだ仲間が皆で俺を延々と

シゴキまくるんだ、延々とだ、倒れても倒れても、起き上がらせ、何度も組手で

技を掛けられたんだ】と言う。

美樹が【水樹先生、何か言ってた?】と聞くとヒロは【酔っぱらった口調で、

何か言ってた、美樹の事をどうとか?酔拳のような技を掛けられた】と答えた。

ヒロが回復するのを待ち地球に帰ることになった。

結局ヒロは友歌には会えず手紙を託すことに、それを取りにユリが船に来た。

ユリがヒロに【こんな天然のストーカー見たこと無いわ】と言う。

ヒロは【勝手にほざけ、人の愛情を散々利用しておいて】と言うと。

ユリは【ヒロ君みたいな研究対象はめったに居ないからまた地球に顔出すね】

と言うヒロは【二度と来ないで下さい、用事が有るときは、こちらから

お邪魔します】と返した。

因みにレジスタンスの人間はマリアが地球に後発の船で、連れて帰り

マリアの管理下で働くことになった。

<終わりに>

地球に帰る中マリが【ママに会えなかったね】と言うと。

【縁が有れば、また会えるさ】とヒロが言う。

ユリの言う通り、生粋のストーカー気質だと判明した(笑)

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愚才な武術家と天才少女達魂の伝承 第十四章 友歌の星、愛の否定と肯定 不自由な新自由主義の反乱児 @tbwku42263

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