第3話

4時間目が終わりようやくお昼だと思った頃悠真が教室にやってきた。「聖來さんお昼食べましょう」真面目で運動神経が抜群でクールな悠真はすごく女子からモテる。「うん、先行ってて後から笑舞ちゃんと龍真と行くから」と悠真に言い弁当を用意し始めた 校庭の木の下にあるベンチで4人座ってご飯を食べる。

「ゲっ、野菜入ってんじゃん」と笑舞はあからさまに嫌そうな顔をする「あぁ、入れたな。お前昨日ご飯中にゲームをするなっていう約束破っただろ。俺先に言ったよな ご飯中スマホとかゲームとかしながら食べるんだったら次の日のお昼ご飯に野菜入れるって。

1回それでゲーム機壊して立て替えてやったの誰だっけ?」笑舞は痛いところをつかれたという表情をした

「それは笑舞ちゃんが悪いね」と聖來は笑いながら言う。聖來の隣では悠真も少し嫌そうな顔をしていた

「なんか嫌なもの入ってたの?」と俺が聞くと「はい。魚が 苦手なんです。特有の臭み?みたいのが」

悠真もあからさまに嫌そうな顔をする「悠真なーんか約束破ったの忘れてなぁい?」どうやら悠真も何か

やらかしたようだ「昨日 訓練何時間やってた?」

悠真は聖來から目を逸らす「……5時間くらいですかね?」「じゃあ、俺と約束した平日の訓練の時間は?」聖來は笑顔を崩さない「……3時間までが原則とし どうしてもの場合は聖來さんから許可をもらい4時間までです」うぅ、と悠真がシュンとなる。「昨日2つも約束破ったよね?じゃあ お魚さん頑張って食べなきゃいけないね?」コク、コクと悠真は頷く。「悠真くんは素直でいい子だね……。笑舞もちゃんと野菜食べろよ?」「は?無理無理」なんでこんなにも差があるんだとため息をつく。朝から早起きしてお弁当作ってるのに。悠真は恐る恐る魚を1口食べて目を見開いた「あれ?美味しいです!すごい食べやすいです」

悠真の嬉しそうな顔を見て聖來も嬉しそうに笑う

「ネットとか本で色々試行錯誤した甲斐があったよ」

俺も試行錯誤を重ねてハンバーグに入れてみたりとか細かく刻んでみたりしているが笑舞の場合全くダメだ

「じゃあ、野菜全部食べれたら500円あげるよ」と言うと 笑舞は直ぐに全部食べた。汚い手だとは思いつつ 普段お菓子やジュースばかりを好んでいる笑舞のためにも少しでも野菜をとらせたいからしょうがない

4人でお昼ご飯を食べ終え 足早に教室に戻った。

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