第4話

「笑舞ちゃーん」ある日の休日 両親が突然やってきた。「お久しぶりです旦那様、奥様。お元気そうで何よりです」背筋を伸ばし笑顔で言う笑舞猫をかぶりすぎだろ「悠真、笑舞ちゃんに迷惑かけてない?」いや、迷惑かけられてるの俺の方だから!と言いたいのをグッとこらえ「うん 大丈夫だよ」と答えた。「本当なの笑舞ちゃん?」と母が尋ねると「本当ですよ。悠真さんには助けられてばかりで……本当に旦那様と奥様に似て素敵な坊ちゃんに仕えさせて頂いて幸せです」昨日文句ばかり言っていたのがまるで嘘みたいだ

「本当、笑舞ちゃんは謙虚ね。」昨日俺がジャンケンで負けたらマンガ買って来いって俺のことパシリにしてたけどね。まぁ、母の夢を壊したくない 笑舞は顔とスタイルがいいから初見の人間は簡単に騙される俺だけだ最初っから猫かぶってるって気づけた人間は。そのまま話を続けお昼になってしまった。これはお昼ご飯を用意するしかないが、笑舞は料理なんてカップラーメンとおにぎりしかできない。だが、今日のために昨日手の込んだおかずを作っておき冷蔵庫に入れておいた。だから実質 笑舞がやればいいのはレンジでチンするだけ しかもメモ紙に何w《なんわっと》で何分かをメモして貼っておいた。食器はそのまま電子レンジで使え尚且つオシャレなものを選んだあとは笑舞に任せるだけ……、と思っていたが笑舞が来てコソッと「電子レンジってどう使うの?」まずそこからかよ……と思ったが時前に教えなかった俺が悪い「すみません、少し御手洗に」と言って立ち上がりキッチンに駆け足で向かい電子レンジの使い方を伝授そして何とか両親の前に出すことが出来た。「まぁ、すごく美味しいわ」「笑舞ちゃんは料理の天才だね」バレなかったことにホッとし「そうでしょう?」と話を合わせ夕方ようやく2人は帰って行った。「龍真ありがとう」珍しく笑舞が素直にお礼を言ったかと思えば「これで 冷凍食品もできるね」と言われてやっぱり笑舞は笑舞だと思った。

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