Second Impact 8
「神代先生?」
デスクで患者のCT等のフィルムを比較してみながら、考え込んでいる神代に神原が声を掛ける。
「……ああ?」
二つの画像を比べながら、生返事をする神代に微笑んで。
滝岡第一の外科チームのオフィスで、真剣に今度手術予定の患者に関するデータを見直している神代に、神原がもう一度訊ねる。
「本当にいいんですか?あちらに任せて」
「…――――勿論だ。おれがいったって何にもならない。俺達がいまする必要があるのは、この患者を万全の状態で手術して、その後フォローすることだ。体調をみても、手術日程はずらせない。テロなんかに構ってられるか」
僅かに怒るように黒瞳を煌かせると掲げた写真を睨みつける。
「それより、」
写真を睨んだまま、手招きする神代に、神原が少し困ったな、という風に微笑んで近付く。
「はい、…――――ああ、これですね?」
「そう、…―――これだ。正直いって、テロなんかより、ずっと厄介だ。…3Dが何処まで正しいか、…――――」
神原も真剣に心臓を描写している画像を見つめて。
「実際には、開けてみないとわからないでしょうね。…もろくなっているでしょう」
落ち着いた視線でいう神原に神代が真剣に見つめながらいう。
「…完全にみる方法はないからな、…。時間との勝負だ。それに、この患者には今しかない。神原、テロには邪魔するなといっとけ」
「…――――はい」
神原が神代をみて微苦笑を漏らすのに、浅く息を吐く。
「滝岡に総ての対応は任せてある。…第一も含めてな。だから、俺達はこちらを完璧にやればいい」
手に写真を持ったまま、軽く目を閉じる。
「神原、細菌への対応は滝岡がする。あちらで感染したこどものことも、任せてある。…――俺達は、この子を救うんだ」
「はい」
強い黒瞳で神代がいうのに、神原が確りと頷く。
「やりましょう」
「勿論だ」
神代が手にしている写真とデータに、神原が手を伸ばす。改めて二人でデータを見直し、手術に備えた準備を重ねていく。
明治時代の洋風木造建築。
文化財指定を受けて改築の出来ない建物がそのまま庁舎として使われているその一角。事情があって、いま神奈川県警本部はこの庁舎に間借りしている。捜査一課の表示がされているのは、その一角でもさらに奥にある古く補修されていない中にあるが。
その古い板張りの床に、低い位置に置かれた広い机に広げた地図を、関が睨みつけている。
緑が窓外に揺れるレトロな室内は、関以外には誰もいない。置かれた机には書類や何かが広げられている。
地図に置いていた携帯に連絡が入り、関が睨みつける。
そこへ、誰かと話して廊下から戻って来た鷹城が、携帯で通話している関をみて首を傾げる。
「神尾先生から?」
通話を切っても、問い掛けに返事の無い関に再度訊ねる。
「…―――どうしたんだい?関」
「…―――――――そうか、…そうだったのか」
茫然としたように呟くと。
「うわ、関?」
急に存在に気がついたように、関が鷹城を振り向く。
「いたのか。朗報だ。もしかしたら、それに、――――…」
言葉を切って、関が鷹城を見つめて、大きく頷く。
「いたのかって、いたけど、…関?」
鷹城の言葉も聞えないように、一人頷く。
地図を見据えて、何か別の物を重ねて見ているように、大きく再度頷いて。
もう一度うなずいて、呟く。
「解るかもしれない、…。狙われる場所が」
「…関?」
鷹城が、背後に広げている地図を振り返る。
低いテーブルに広げた地図に付けられた印を、鷹城と関が見る。
片手を上げて、そこへ入って来た人物が声を掛ける。
「よう、調べてきたぞ、…――――。どうした?」
「斉藤、行動記録取れたか」
そちらを見ずに地図を眺めながら、関が問うのに。慣れた風で肩を竦めて、斉藤が書き込んで来た調査結果を関に手渡しながらいう。
そちらをみないまま、関が受取る。
「おうよ、結構苦労したぞ?裏を取るのにな。極普通の特徴の無い一家の行動っていうのは、…―――家族五人分だ」
「ありがとう。書き込むぞ」
斉藤から受取った家族の行動記録――その一人分を手に、関が地図に書き込み始める。
一度も斉藤を見ずにいう関に苦笑を漏らして。
「アナログだねえ」
「おまえもやれ」
「人使い荒いな、山下に怒られるぞ?」
「…山下は保健所だ。しばらくこっちには戻らん。…焼き鳥に、…ゆず胡椒にしろねぎに、吸い物碗か、――――…いや、」
鷹城が一人分を受取って、やはり地図に黙々と書き込み始める隣で、関が呟きながら手を動かすのに。
「…―――関、おまえ、…―――」
驚いていう斉藤に、鷹城がそーっと、くちもとに指をあててみせて、地図に記入する一人分を手渡す。
「ああ、…うん。しかし、はやいな、」
受取りながら、くちを噤んで地図に記入する為に斉藤も地図に向き直る。
無言で斉藤と鷹城が家族の行動を地図に落としながら。
何かを確信したように、関が僅かに笑むのを。
斉藤が凝視してから、作業に戻る為に視線を地図に落とす。
黙々と、五人の行動を一週間追った記録を地図に書き込む。
数十分後。
給湯室、というには随分と設備の整った、割に広い調理室から包丁の良い音が響いてくる。しばらくしてから、良い香りが届いてくるのに。斉藤があきれと感心半ばする表情で、その香りの届いてくる方をみて。
鷹城が、地図をみながら連絡を入れる。
「おまたせした」
院長室のドアを開けて、関が入っていうのを。
滝岡が、その手に抱えている二つの荷物をみて一瞬、声を失くす。
「…――――おまえ、それは?」
右手には大きな紙か布か、――それを筒状に巻いたものと。それに、左手に下げている風呂敷包みに。
鷹城が関の後から入ってドアを閉め、院長室のデスクを回って、機器の調整を始める。それに、関が何も云わずに院長室のデスクに風呂敷包みを置くのをみて。
風呂敷包みの中身は重箱らしい、と見当がついて滝岡が沈黙する。
「…――――」
思わず、それにほっと安心しかけた己に、苦笑して。
地図を大きく広げて、関と鷹城が何か繋いでいるのをみながら、あきれて滝岡が息を吐いていう。
「そうか、おまえ?」
「あれが何か?」
不思議そうにみて訊く神尾に、振り向いて滝岡が何か云い掛けて。
無言でデスクの左側に控えていた黒城が、静かに視線を向けるのに気づいてそちらをみる。
「…―――――地図か」
「これは、…。患者さんの御家族の行動ですか?」
神尾も気付いて鷹城が繋いでスクリーンに投影した地図をみていう。地図に描かれた線に、記入された文字を神尾が辿ってみる。
「これは、ご家族それぞれの行動ですね?」
「そうです。一週間前からの行動を確認しました。三日前からの食事がこれです」
関が地図上に記入されていたリストを幾つか操作すると行動ルートの他に三日分の食事リストが出てくる。
「便利ですね。これは、この地図は布かなにかにみえますけど?」
「記入したのが、すべてこうして表示したりしなかったりを選べるんですよ。一応、この布みたいな紙は、コンピュータなんですよ」
鷹城が解説するのに、神尾が感心して布に手書きされているだけのようにみえる地図を見つめる。
「そうなんですか?」
「書くと処理できるらしい。データとしてな。それで、これをみて確認してほしいんです。食事のリストも一週間ありますが、三日でいいんですよね?」
「はい、…――――やはり、ご家族は同じものを食べていない、…――可能性が高いですね。三日前、学校の創立記念日に牧場へ遊びにいっている。…一日体験で、ミルク、ソフトクリーム、…妹さんと母親が同じものを食べていますね」
感心している神尾に関が説明して、リストに注意を向ける。それを確認しながら、神尾がくちに出していく。
「やきそばに、ホットドッグ、…―――。夕食にサラダ、トマトが体験牧場で売っていたもの、…―――。」
翌日の朝食、味噌汁、ごはん、目玉焼き、―――両親と同じ、昼、給食、帰宅後のおやつ、マドレーヌ、夕食にハンバーグ、ポテトサラダ、ミルク、ごはん。
前日、朝、パン、ゼリー、ミルク、オレンジ、スクランブルエッグ。昼、給食。おやつにミルク、アメリカンドッグ(牧場購入、冷凍物)、夕食、祖母が旅行から帰宅、お土産を使って、魚の天婦羅、野菜のかきあげ、茹でたいんげん、ごはん、ミルク。
「最後の食事が二十時で入院でしたね」
「ええ、そう聞いてます。この子だけが口にしてるのは、ミルクでした。体験牧場で買ったミルクです。妹さんは牛乳がきらいで飲んでいない」
「ミルクの培養試験は、保健所の方で?」
「はい、行ってもらっています」
「可能性はありますね、…―――。ミルクを冷温保存していたとしても、菌は増殖できる。殺菌も市販ではなく直売でしたら、甘いものもある。生乳としての風味を重視した、しぼりたてのようなものを飲ませている可能性もありますね」
「これが牧場の見取り図です。体験できる遊びとか、動物とのふれあいなどがあります」
関が操作して、新たな図を映し出す。近くに池のある牧場の見取り図をみて、神尾が質問する。
「これは、―――もしかして、水源に使われていたりしますか?」
「ええ、牧場の家畜に飲ませているそうです。池からポンプで水をひいて、家畜を洗ったりするのにも。従業員の利用する水と、飲食に供している水は別に水道からのものを利用しています」
「…―――この水を採取しましょう。それと、この牧場を利用した、訪れた人達をリスト化しないと。…検出できない内は、この牧場を閉鎖することはできませんか?」
「その点に関しては後で、―――神尾さん、ミルクがやはり、可能性が高いですか?」
「この子は後、牧場でどんな体験をしたんでしょうか?」
ポニー乗馬体験、動物ふれあい、ミルク試飲、ソフトクリームを食べて、――――。
「宝探しですか」
「牧場と近くの山を使って、係員がついて数組の家族で宝探しゲームをしたようですね」
「…―――この、地形でしたら、…」
「神尾さん?」
牧場の体験施設を紹介するパンフレットを映し出した映像をみながら、神尾が考え込む。
「活発な男の子ですね?…――もしかして、沢水とかを飲んでいる可能性もありますか?この地形だと、湧水や、小さな沢があってもおかしくないですね。もし、山に少しでも入ったのなら、―――」
「水ですか」
関の視線に、神尾が頷く。
「…――はい。牛の体内で菌が増殖して乳に出て来たと考えるには日数等があわない気がします。もし、ミルクから出るとしたら、それは洗浄等、そうした部分に使われた水などの問題になる気がします。沢水から池、―――そして、ミルクの瓶等から、ミルクへ。そして」
「神尾さん?」
いって、口許を手で押さえるようにしながら、考え込んで沈黙する神尾に、関が問い掛ける。
「それは、天然でのルートとしては考えられるコースなんですが、…」
困惑したように鷹城が切り替えた元の地図をみて神尾がくちにする。
「…――その、テロだとしたら、…」
「間が抜けてますよね?普通の食中毒事件とあまり変わりないですものね。…それは、確かに大変な事態ではありますけど」
「秀一さん、…―――はい。HUSの危険があるO―157等の大腸菌だとしたら大変ですが、エルシニア属では、散発的な食中毒として記録されるだけです。勿論、毒性が強くなっていて、劇症例が多くなれば、やはり問題ですが、―――牧場から食中毒が出て、O―157のように重症例が多く出れば、大きな問題ではありますが」
神尾が困惑して言葉を切るのに、鷹城が明るく頷く。
「そうですよね?せっかく生化学テロをするのに、牧場で食中毒なんてことになっても、―――通常はテロの目的とするようなことではないでしょうね。牧場に恨みがあってとかだと、テロというより、怨恨とか、家族連れを狙った無差別テロというにしても、ちょっと違いますよね」
「…そう、なんでしょうかね?僕にはよくわからないんですが」
明るくいう鷹城に少し引いて、神尾が答えるのに関が頷く。
「違うな。むしろ、それだと威力業務妨害や、つまりは営業妨害を目的とした犯行とかになる。家族連れや行楽客を狙うにしても、種類が違ってくるだろうな。最初から、犯人がそれを狙っていたとするなら別だが」
関の言葉に鷹城が軽くいう。
「それでこんな手の掛ることはしないと思うよ?業務妨害で食中毒とか、思い付いても中々、細菌とか用意するのが大変だもの。例えば商売敵を、とかって思ったとしても、普通は菌とか用意するのって大変でしょう?神尾先生」
「あ、…はい。大変ではないかとは思います。菌を保管している処では持ち出し等は厳重に管理されていますし、もし盗み出せたとしても、…―――食中毒を起こせる状態で保管して、菌が生きている状態でというのは、―――難しいでしょうね」
「―――まあ、だから、その線は少ないと考えてます。一応、追ってはいますが」
鷹城の問い掛けに考えながらいう神尾に、関があっさりという。
「…―――追ってるんですか?」
驚いてみる神尾に関が頷く。
「可能性が少なくても、消しておくのは大事ですからね。復活することだってある」
「はあ、…―――。そんなことまでしてるんですか」
「当然です。ですが、本命は、…―――鷹城」
「はい、こちらをご覧ください」
鷹城が画面を切り替えて、首都圏広域地図に幾つもの光点が線を描いて動いているものになり、神尾が目を見張る。
鷹城が楽しげにキーボードを操作して、地図が段々と狭い地域を映し出すのに神尾が気付く。
「…これは、――」
「ご覧の通り、上空から見たある地域を示した地図です。光点はすべて、携帯端末―――個人用に皆さんが持ち歩いている通信用の小型端末が総て表示されています」
「すべて、ですか?」
驚いて神尾が見るうちにも、光点は線を描いて動いている。或いは、一点に留まる光に、早い動き、遅い動きに。
「…これ、リアルタイムなんですか?つまり」
驚いていう神尾に、キーボードを操作しながら鷹城が応える。
「はい。――――…リアルタイムです。この病院にいま入院しているその子供さんの住んでいる地区を含む、…――――」
光の流れるような動きに気付く。
「…車や何かに乗って移動している流れが速くて、ゆっくりしているのは、徒歩か何かの移動ですか」
「はい。GPSで携帯端末の移動が見られることはご存知かと思います。それも利用していますが、これは、…―――各電波局が受取っていて、レスポンスを受けている通信端末の光です。それをこうして表示しています」
「…―――それは、」
鷹城が操作しながら、一部を拡大し、また俯瞰する位置に戻す。
「僕はこういう情報を解析するのが仕事なんです。個人情報は一応取り扱わずに、ビッグデータとして解析するって、聞いたことありませんか?一応、各企業内とか大学とかでの研究としてなら、いまは扱っていたり」
「ああ、―――はい、ありますが、…。」
感嘆しながらも、戸惑ってみる神尾に、にっこり微笑んで。
「それで、今回はそこから、ピックアップしてみました」
「ピックアップ?」
「―――必要な動きをな。…」
関が真剣にみる先で表示される光点が、幾つか浮き上がるように強調して表示される。それらがまるで幾つか結びついているかのように動き出すのをみる。
鷹城の操作で、星座のように幾つかの光点が浮き上がり、地図上で繋がって動き出す。
「これは、電波の動き、――――相互に通信している状態を描きだしたものです。…これらは、ある動きと同調していました」
「ある動き?」
「例の輸入された荷物が配達された際の動きとだ」
「…―――荷物、…それは、細菌とウイルスが送られた先の?」
神尾が驚いて見返るのに、関が大きく頷く。
「そうだ。荷物の送り先へと、それぞれの端末が動く。荷物の動きと、端末の動きが一致する。…」
「でも、それに先回りして回収していたので、これらの端末さん達には、荷物は殆ど渡らなかったんですけどね」
「鷹城さん?」
にっこり、と微笑んでいう鷹城に神尾が驚いてみる。
それに振り向かずに光点を操作して。
「最終的に、受取りに現れた端末さん達の内、この七点、――――七名を捕まえてもらうことができました」
操作している光の内、七つが動きを止める。
「…――残る二つが」
神尾が凝視する中、光点が二つ、動き始める。
一つがそして、…――――。
地図が大きくまた俯瞰になり、光点一つを追い掛けて動く。
最終的に、光点が動きを止めたのは。
「…牧場、――――――」
神尾が呟く先で、地図に動きを止めた光点を拡大した箇所に。
入院したこどもが遊びに行った牧場の名が記されていた。
「これは、…―――」
「おそらくだが」
関が僅かに視線を伏せて、低い声で云う。
「…犯行を行う予定だった一人は、荷物を受け取ることはできたが、逃亡の際に目標へテロを実行することはできなかった。そして、逃亡の際に、――――」
「細菌とウイルスを捨てたんですか。…水源に」
茫然と神尾がいうのに、関が頷く。
「まだ、あくまで推測の範囲ですが。これは、単独で逃亡した犯人の一人が、逃亡の際邪魔になった荷物を捨てたのではないか、と考えています。」
「…――犯人は、解ってるんですか?目的は、…―確か、二つ、…いまの逃げていたのも、二つでしたよね?…残る一つは?」
問う神尾に、関が視線を地図に向ける。
鷹城が広域に地図を戻す。
「こちらの、最後に残った奴の方には、…―――航跡を辿れませんでね」
「それは」
関の言葉に神尾が絶句する。
淡々と関が。
「犯人がどういった目的で動く集団なのか、テロを何故行うのか、―――そういった犯人像については、まだはっきりとわかっていません。ですが」
あっさりと。
「テロの目標とされる地点、時刻、標的、―――それは」
関が淡々と云う。
「それはわかりました。」
「え?解ったんですか?」
驚いて見返す神尾に、関が頷く。
「ええ。ですから、…―――神尾さん」
「はい」
驚きに声も無い神尾を見据えて、関が。
「あなたが解明したことを、あらためて教えてください。連絡をくれたことの他に、さらに解ったことがあると伺ってます」
「…――はい、ええ、…―――それがわかれば?」
「役に立ちます。犯人達を確保するのに」
関が神尾を見つめていう。それに、小さく息を呑んで。
「…僕の方は、まだ確定していないこともありますが、…―――。現状、追認できていることがあります。それらから考えて、恐らく間違いはないでしょう。…――――」
神尾が言葉を切る。
そして、一度目を閉じる。
「…――――僕達は、エルシニア・シュードツベルクローシスが、ファージによって新しい毒性を付与されていることを恐れていました。強い毒性を持ち、同じ属のペストの毒性を持ち、さらに感染性の強い菌として人工的に造り替えられていたのではないかと」
神尾が、鷹城と関を見る。
「しかし、それは違っていました。…―――エルシニア・シュードツベルクローシス、Y. pseudotuberculosisに、毒性に変化は無かったんです」
お伝えした通り、と落ち着いた顔で神尾がかれらを見返す。
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