推論

「まずこの生物が地球上に降下する可能性は、かなり高いと私は考えています」


 開口一番、由紀が伝えたのは危険性を煽る物言い。

 その意見に総理大臣含めた閣僚達はざわめき、そして隣にいる科学者の一人が力強く手を挙げた。強張った中年の顔付きは、お世辞にも賛同しているようには見えなかった。


「そ、その意見はどうかと思う。宇宙空間にいる生物が、地球に降り立つ可能性が高いというのは、考え難い」


「ええ。確かに普通なら、その考えで良いと思います」


 中年科学者……彼の前に置かれたネームプレートには『宇津宮光一』と書かれていた……からの意見を、由紀は否定しない。むしろ肯定的に受け取る。

 生物進化の常識から考えれば、至極真っ当な意見だ。

 生物というのは、基本的に生息環境に適した身体の構造をしている。何故なら環境に合わせた身体の構造でなければ、生きていくのに不都合だからだ。人間に地上を歩くための足ではなく、人魚のような尾ビレが付いていたらどれだけ生き難いかは言うまでもない。

 そして一つの形態が、万能に作用する事はない。

 海を高速で泳ぎ回る魚は、陸地に上がれば跳ねる事しか出来ない。水を泳ぐのに適した流線型は、地上で体重を支えるのに全く向いていないからだ。逆に人間など陸上動物は、水中を魚ほど速くは泳げない。地上を歩くための足やら手やら尻尾は、粘度の高い水中では抵抗が大き過ぎて素早い動きを妨げる。

 陸上動物が水中で暮らしても、魚を捕まえられず飢え死にするだろう。魚が陸上に上がっても身動きが取れず、獣達に捕食されるだろう。だから水中は魚達しかおらず、陸は獣達に支配されている。クジラのように水中へと進出するには、獣の姿から魚の姿へと変わらなければならないとも言えるだろう。

 他にも寒さに対抗する分厚い毛皮は、湿度と気温の高い熱帯環境では死を招く。無酸素環境で生きる細菌にとって、酸素は制御不能の高エネルギーを生み出す危険物質だ。環境に合わない『身体』というのは、それだけで命に関わるものである。

 ――――話を件の地球外生命体に戻す。

 地球外生命体がどんな生態をしているかは不明だが、どうやら生身でも宇宙空間で活動出来るらしい。

 言い換えれば、この生物は宇宙空間で生きるのに最適な身体をしている筈だ。それは地球上での生活に全く適していない筈である。

 例えば結晶だらけの身体は、水中では抵抗が大きくて素早くは動けまい。動いたところで、エネルギー消費が激し過ぎる。かといって陸上を動くための足もなければ、空を飛ぶための翼も見当たらない。そもそも何かを食べるための口もなく、固形物を餌にしているようには見えない。

 確かにこれでは、地球上で生活するのは困難だろう。

 このままの姿であるなら。


「……必ずしも、この姿のまま成長するとは限らんだろう」


 由紀の言いたい事は、もう一人の科学者が答えてくれた。

 老いた男性だ。ネームプレートの名前によれば、一ノ瀬勇也という。

 由紀も面識はないが、名前ぐらいは知っている。日本でも有数の生物学者の一人であり、彼女の尊敬する人物の一人だ。


「確かにこの姿のままでは、地球上では生きられまい。なら姿を変えれば良い。手足を生やすなどしてな」


「そんな突飛な……」


「突飛なものか。君は昆虫や両生類が奇々怪々な生命と言うつもりか?」


 勇也に指摘され、光一は押し黙る。

 成長段階に合わせて姿形が変化する生物は、決して珍しくない。

 最も身近で劇的なのは、やはり昆虫だろう。例えばハエは卵から孵った時、幼虫は蛆虫型をしている。翅どころか足もなく、頭が体内に埋没している(人間からすれば)奇妙な外見だ。それが蛹から羽化すれば、立派な翅で飛び回る昆虫へと変容する。

 他にはカエルも当て嵌まるだろう。オタマジャクシは足もなく、おちょぼ口をした形態だ。しかし成体は足が生え、陸上で虫を粘着質な舌で捕まえていく。生き方は全くの別物だ。寄生虫なども、成長するほど形態が変化するものは少なくない。

 何故親子で似ていない生物が珍しくないのか。

 それは、その生き方が『合理的』だからだ。例えば姿形が異なれば、親子で異なる餌を食べる事が可能だ。カエルならばオタマジャクシは水中の有機物、成体は陸上の虫という具合に。食べ物が違えば、同種間の食糧争奪競争を緩和出来るため、より繁栄する事が出来る。

 また世代毎の『仕事』に注力出来るのも利点だ。その最たる例がチョウなどの完全変態をする昆虫である。幼虫時代は生殖能力も移動能力もない……言い換えればそこにあるものをひたすら食べて成長する形態で生き、成虫時代は繁殖と移動に特化した形態で過ごす。あまりに世代間の分業が進んだ結果、成虫になると口を持たない=ただ繁殖だけを行う種もいるほどだ。

 此度やってきた地球外生命体も、この形態が宇宙空間を移動するためのものと思えば、そのうち繁殖や成長に特化した姿になってもおかしくない。


「……うぅむ……」


 光一は唸りながら、反論はせず口を閉ざす。

 無論彼の『楽観的』な意見も、否定は出来ない。というよりその可能性は十分ある。地球生命だって、それなりに多くの種が親子で同じ姿形をしているのだ。何より地球外生命体だからといって、必ずしも珍妙な生き方をしているとは限らない。

 だが、他にも降下してくるという根拠はある。

 それは地球の周囲を回っている事だ。


「地球を周回しているのも、宇宙で生活史が完結する生物としては奇妙だと思います。すぐ近くに、もっと大きなエネルギーがあるのですから」


 宇宙空間で利用出来る資源やエネルギーとは何か? 真っ先に考え付くのは、やはり恒星からの光エネルギーだろう。

 というより他に使えるものは皆無だ。宇宙空間は極めて希薄な状態で、密度が濃いと言われる星雲の中でさえ、一立方センチの空間に原子数個という有り様である。それら小さな原子数個を使用しても、大きなエネルギーは取り出せないだろう。

 仮に太陽光を利用するのであれば、惑星ではなく恒星の周りを周回すべきだ。重力などの関係で惑星上が最適だとしても、それならより星系外にある木星や火星などに居着くのが普通だろう。地球外生命体が太陽系外から訪れたなら、まずそれらの惑星が目に付く筈なのだから。或いはもっと近くの、より強い光を浴びられる金星や水星の方が良い。

 無論偶々地球が気に入っただけ、という可能性は否定出来ない。しかしそれよりも、地球を狙って来た、と考えた方が辻褄は合う。水や空気などを狙っているなら、いずれ降下してくるだろう。

 そして地球外生命体が侵入してきた場合、まず考えるべき最悪は。


「もしも繁殖を始めたなら、果たして人間で制御可能かどうか……」


 その地に定着し、個体数を増やす事だ。


「繁殖の可能性があるのか!?」


「ええ。それについては、私以外の者も同意見かと」


「……ですね。地上に来る来ないは兎も角、その可能性は十分あるでしょう」


「備えておいて損はあるまい」


「だ、だが、相手は一体だけだぞ? つがいがいなくては……」


「総理。地球生物でも、単為生殖は珍しくない事です」


 人間は、自分達が生物のスタンダードだと思いがちである。だが実際の生物は、もっと多様で、一つの方法に縛られない。

 雌雄どころか相手すら必要ない、単為生殖はさして珍しくない繁殖方法だ。それに宇宙空間という、無尽蔵な広さの世界で暮らすならば、相手を探す余裕などあるまい。単為生殖以外の方法で次世代を残すのは、著しく困難だろう。

 最悪を想定する意味でも、地球外生命体は単独で繁殖出来ると考えるべきだ。


「(そう。この会議は、科学的に正しい生態を探るためのものではない)」


 人類は、この地球外生命体について何も知らない。

 何も知らないという事は、どの程度危険なのかも分からない。仮に「地球に降下出来ない」という『妥当』な結論を導き出したとして……それで地球に降り立ち、地球外生命体による大きな被害が出たのでは意味がない。

 未知だからこそ、より『最悪』を想定する。この会議の本当の目的はこれだ。無論国民の血税で対応する以上ある程度の現実味は必要だろうが、最悪を想定せず、ましてや準備しないなど論外。


「仮に、地球に降下するとしたら何処になる?」


 総理大臣もそう考えているからこそ、降下した場合について尋ねるのだ。


「……私としては、海だと思います」


「自分も海だ。いや、砂漠もあり得るか?」


「どちらかの可能性が高いな。少なくとも、映画のように市街地を直接狙うとは考え難い」


 由紀に続いて光一と勇也も、同じ環境を考える。

 何故ならこれらの場所は、宇宙飛行士が帰還した際の着陸地点でもあるからだ。

 一般的には砂漠を選ぶ事が多い。理由としては障害物がなく、極めて広大なため風に流されても安全に着陸出来るため。また逆噴射のジェットなどで火災が起きる可能性があるため、植物などの可燃物が少ない場所が好ましい。同様の条件を満たす海を選ぶ場合もある……万一事故を起こせば溺死不可避なので、あまり好まれる場所ではないが。

 仮に、地球外生命体が知性のない野生動物であるなら、地球で火災が起きる事など気にしないだろう。しかしその火災で包まれるのは、一般的に考えて好ましくはない。また障害物コンクリートぐらいなら粉砕する硬さがあったとしても、接触時の衝撃で予定進路を外れるなどの事故を考えれば、避けるのが無難だ。

 そして宇宙空間にいる地球外生命体が、窒息する可能性は考え難い。このため海と砂漠のどちらも、着陸地点としては機能するだろう。

 問題は、これだけでは候補地が地球の約八割の面積に及ぶ事だ。


「場所の特定までは……無理でしょうね」


「そう思う。精々、海であれば落下時に地面に激突しないよう、水深の深そうなところを狙うぐらいじゃないか?」


「あの、一つ私からも一つ述べても?」


 由紀達が意見を交わす中、閣僚からも手が上がった。

 防衛大臣からだ。中年寄りながら、閣僚としては若い女性。女性的な物腰の柔らかそうな顔立ちをしているが、その言葉には自信に満ちた力強さがある。


「ここまでの意見は、あの生物が野生動物であればの話ですよね? 例えば何処かの誰かが送り込んだ、兵器という可能性はないのでしょうか? そもそも本当に地球外の生命なのでしょうか」


 彼女が尋ねてきたのは、『地球外生命体』が他国の侵略兵器である可能性だ。

 突拍子もない、と言いたいところだが、そもそも地球外生命体の時点で突拍子もない。それに地球生命が誕生して既に三十五億年も経つのに、未だ宇宙進出が可能な生物がいない点を鑑みれば、自力で宇宙を渡る種の誕生が如何に困難かは明白だ。

 人為的な改造を施された存在、と考える方が妥当かも知れない。難なら地球外生命体ではなく、何処かの国の送り込んだ生物兵器の方が自然ではないか。

 その考えに対する由紀達の答えは。


「それは考え難いです」


 言葉では曖昧でも、明確な否定だった。


「理由は?」


「まず、生物兵器だとした場合、今の人類に宇宙を自由に飛び交う大型生物を作る技術はありません」


 未知の生物兵器を作るとすれば、真っ先に浮かぶ技術は遺伝子操作だろう。

 だが遺伝子操作というのは、なんでも作れるものではない。一般的に行われるのは遺伝子組み換えであるが、これは名前の通り別の生物の遺伝子を埋め込む事で、特定形質の発現を狙う。

 つまり他の生物が持っているものでなければ、新たな形質は作れない。野生生物の保護が必要なのは、遺伝子操作などで使える『資源』を確保するためでもある。どの生物がどんな遺伝子を持っているか、完全には把握してないからこそ、絶滅してはその資源が永遠に失われてしまうからだ。

 そして宇宙に進出する生物が地球にいない以上、地球外で活動する生物兵器は作れない。クマムシや細菌は宇宙でも生きているという意見もあるかも知れないが、それらは休眠状態で耐えたというだけ。遺伝子を組み込んだところで、休眠してふわふわ宇宙を漂うだけだ。

 こう聞くと、何故一から作らないかという疑問も湧くかも知れない。その答えは、そんな事は無理だからだ。

 遺伝子ことDNAは三つの塩基からなる『コドン』の集まりであるが、このコドン一つが示すものはアミノ酸でしかない。無数のコドンから無数のアミノ酸が作られ、そのアミノ酸の連なりからタンパク質を一つ作り出す。

 作り出したタンパク質の『使い方』も大事だ。適切な場所に、適切な量を並べなければならにい。そうした制御を遺伝子(から作り出した別の物質)が担う事もあれば、身体の状態によって自然と安定するものもある。生物を一からデザインするという事は、これらの仕組みも設定しなければならない。

 ハッキリ言って、今の人類でコントロール出来る難易度ではない。生命とは、それぐらい複雑なのだ。


「……成程。つまり仮に可能だとしても、異星文明の産物という事ですか」


「そうなります」


「分かりました、ありがとうございます……しかしそうなると、早期の攻撃をすべきではないでしょうか」


 早期の攻撃。つまりミサイルなどで撃ち落とすべきではないか、という事だろうか。

 その意見について、由紀個人は反論を持ち合わせていない。むしろ賛同側だ。貴重な生物だとは思うが、地球にとっては恐らく異物。自力で来ているので『外来種』の定義には当て嵌まらない(一般的に外来種は人為的要因で運び込まれ、かつ人の管理下にない生物を指す)ものの、仮に地上へと降下した場合、その暮らしぶり次第では地球環境や生態系を大きく変質させるかも知れない。それは人類のみならず、他の地球生命にとっても有害だ。

 例えそうでなくとも、調べるには標本がほしいので、やはり殺傷する必要はある。どの道殺すのだから、ここに異論を挟む必要はない。

 そしてこの生物は、既に人間を殺している。原因は分からないが、立場的には人を襲ったクマのようなものだ。残念ながら『駆除』が妥当な方針だろう。


「しかしかの生物は、地球を高速で移動している。それを撃破出来る武器はあるのか?」


 だが可能かどうかは別問題だと、勇也は指摘する。


「……一般的な大陸弾道ミサイルの速度が、秒速八キロ程度。地球外生命体の速さも同程度なので、能力的にはミサイル防衛システムの応用で可能な筈です。しかし高度が高過ぎます」


 地球外生命体が飛行している位置は、地上から四百キロ地点。対してミサイル防衛を行う高度が百〜二百キロ前後。全く届かない高さだ。

 仮に届いても、相手は地球上をぐるぐる飛んでいる。届く頃には隣の国、という事は十分あり得るだろう。撃墜した破片が他国に落下……なんてなれば国際問題は避けられない。外したミサイルが落ちたら、それこそ戦争になりかねない行いである。


「ならば手を出さない、のが無難か」


 総理大臣がそう判断するのも仕方ない事だろう。

 仕方ないが、それが妥当な判断とは限らない。由紀が考えていたように、この生物が万一地球上への降下を試み、繁殖しようものなら、一体何が起きるか分からない。

 特に、生態系への悪影響は大きい筈だ。


「私としては、それは賛成出来ません。仮に地球で繁殖をした場合、在来の生態系を破壊する可能性が高いです」


「そうは言うがなぁ。人間が運び込んだ外来種なら兎も角、こいつは自力で来た訳だろう?」


 由紀の意見に反論したのは、財務大臣。


「コイツがやってくるのは自然の営みなんだから、下手に手を出さない方が良くないか?」


 彼の言い分は、『自然』の事なのだから手を出す必要はないというもの。

 そういった意見がある事は、由紀も知っている。外来種や生物の絶滅に関してよく見る意見だ……「絶滅や生態系の変化は自然でも起きている事なのだから問題はない」と。

 この地球外生命体も、恐らく自力で地球までやってきた。財務大臣が言うように自然の営みには間違いない。

 だからこそ――――生物進化や生態系に対する理解が、まるで足りていないと言わざるを得ない。


「確かに、この地球外生命体によって破壊された生態系は、いずれ回復する可能性が高いです」


「だろう? だったら国民の血税をわざわざ使わなくとも……」


「しかしその回復は数万年後の話であり、我々には


 生命が進化するには、何万年もの年月が必要だ。今の人間からすれば国家どころか文明があるかも怪しいほど未来の話である。つまり生態系の回復も、数万年後となる。

 これは例えるなら「百年後に建て替えるから」といって、今ある家を雑に扱って壊すようなもの。隙間風が入ろうが、雨漏りをしようが、地震で倒壊しようが、百年後まで家は建たない。中で暮らす人間はさぞや暮らし難く、最悪命にも関わるだろう。そして百年後、新しい家が建つ頃『自分』は生きていない。端から見ればあまりにも滑稽な対応だ。生態系や生物種の自然回復を(要するに何もしたくないから)待つとは、こういう事である。

 そもそも新種により再構築された生態系が、人類にとって都合が良いとは限らない。生物の進化はあくまで「より多くの子孫を残せる個体が増える」事で起きる。環境の安定だとか、生態系のバランスなど一切考慮しない。当然、人間の安全についてもだ。絶滅したオオカミの代わりに現れた新種の肉食獣が、人間の捕食に特化したモンスターという事もあり得る。

 そして生態系が変化すれば、環境だって変化する。

 環境というのは、何も太陽や二酸化炭素だけで決まるものではない。極端な例ではあるが、植物や植物プランクトンがいなければ地球から酸素はなくなってしまう。植物の身体に固定されている炭素は二酸化炭素として大気中に放出され、二酸化炭素濃度の上昇により気温も一気に上るだろう。

 酸素濃度は数パーセントまで低下し、気温が五十度近くなり、有機物の分解が進まずあちこちに汚染物質が溢れる……そんな環境で人間は生きられないが、新たな生物達からすれば住心地が良いかも知れない。こんな世界でものだから、地球生命という単位で見ればなんら問題はない。


「あまり知られていない事かも知れませんが、地球の歴史上、大半の期間は人類の生存に適していません。だから私達は『今』の環境を守らなければならず、そのためには環境の構成要素である生物種を全て守らなければならない……以上の事から、地球外生命体の放置は賢明ではありません」


「そ、そうか。いや、確かに楽観的過ぎたな、うむ」


 少し説明に熱が入り過ぎたか。財務大臣はやや顔を引き攣らせていた。

 生物進化と環境は、由紀にとって重要視しているテーマ。それを軽薄に語られたため、つい頭に血が上ってしまったかも知れない。

 重要だからこそ冷静に、分かるように伝えなければならない。過激で急進的な意見は反発を招き、感情論から合理的対応を拒ませてしまう。


「雨宮博士の言いたい事は理解する。だが、他国との関係も無視は出来ない」


 何より、いくら環境保護が重要でも、他を無視してやれば別の問題が生じる。生態系を守るため他国の上空にミサイルを発射した結果、巡り巡って核戦争が起きては元も子もない。

 最悪を考えながらも、その最悪に対処する術が思い付かないまま、会議は終りを迎える。

 そして最悪の報せが、三日後の由紀に届くのだった。

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