正直、書くかどうか凄く迷った…
ドア子さんの部屋から別の棟の部屋に移ってからの話。
タイトルにもありますが、この話、書くという事に抵抗がありました。
もっと正直に言うと、言っていいのか? って言うのが半分と
知られるのが怖いってのが半分です。
でも、書こうと思いました。
2年に上がる頃には寮内でも、ツルむ友達が変わってきました。
その頃一番仲良くしていたのがM氏です。
感の強いU氏とは変わらず
パンチパーマのN氏はより危ない系のダチとツルむ様に。
って感じで段々バラバラになっていきました。
そんなある日、俺の部屋からゲームソフトが盗まれました。
寮の部屋にそれぞれカギは掛けられるんですけど
まあ、ザルというか、ガタガタってすると外れちゃうようなカギ。
学校から戻ったらソフトが盗まれている事に気がついたんです。
んで、直感で脳裏に浮かんだのが小中高と一緒で
専門学校まで一緒になってしまったT氏。
証拠? そんなものないです。
その瞬間の直感のみでした。
M氏にゲームソフトが盗まれた事を話すと
「J@なら、何か直感とか視えたりとかで犯人分かるんじゃない?」
そう言われて、ちょっとドキッとしつつも、実は直感はあると
それはT氏だと、告げました。
M氏は、何か思う所があったのかは分かりませんが
「あー、T氏なー」
としか言いませんでした。
そこで、そのことはもう諦めておけば良かったと、今なら思います。
俺は、U氏、N氏、S氏に盗まれた事と
T氏じゃないかと思った事を話してしまいました。
まあ、その時はそんな事で腹を立てたんだと思います。
U氏の部屋はT氏の左隣で仲が良く、N氏はT氏の右隣の部屋でした。
その時は頭からすっぽり抜けてたんですよね、そういう事。
次の日学校に行って1限目が終わり、休み時間になる。
俺は当時付き合っていた同じクラスの彼女と話をしていた。
俺は突然、衝撃を受けて横殴りにぶっ飛んだので、やべぇ地震が来たと思った。
「え、ちょなに!? 地震!?」
そんな事を言ったと思います。
そしたら周りを見ても誰もぶっ飛んでなくて
周囲の人は俺から距離を取って離れるんだよね。
え、何が起きた? って思ったらまた後ろから衝撃が来て
振り返ったら、鬼の形相をしたT氏が俺に殴り掛かってたってわけで。
そっからは大乱闘で、教室中ぐっちゃぐちゃになりましたね。
2限目のベル鳴って、先生が教室に入って来てもお構いなしにやり合ってた。
最後は数人の先生らに抑えられて終わったって感じ。
お互いボロクソで、顔なんてあちこちパンパンに腫れて。
彼女がシップ買ってきてくれたのを顔に貼って、
学校終わるまでずっとふて寝してた。
学校が終わって彼女と仙台駅まで歩いていく途中
「あの人、彼女いるの?」
って聞かれた。
ああ、俺はそんな風に疑われるのか、と思ったよね。
「あんな奴に、いると思う?」
って答えた。
んでちゃんとその後に、ケンカの原因になっただろう、事の顛末を話したら
納得・・・してくれたんだとは思ってる。
まあ、ものすごく下らない理由のケンカだし、どう思ったかは知らない。
んで、ボコボコの顔で寮に帰って、部屋に戻ると
M氏が俺の部屋でゲームしてたんよ。
まあいつもの事だから俺も「おつー」くらい言ったと思う。
んでM氏が俺の顔みて
「ちょっ!! 何したの!? え、ケンカ!? もしかしてT氏か!?」
って、状況判断早いと、説明いらずで楽だよね。
俺も、そうT氏と学校でケンカして、俺もT氏もボロクソーって言った。
M氏は、今からやり返し行くか! って意気込んでたけど
「M氏まで嫌な思いすんのは違うだろ」
って止めたよね。
んで、平日だけど、そっからヤケ酒が始まって。
そん時はまだギリ19歳だったかもしれないけどね。
んで、M氏も話を聞くのが上手だったからさ
俺もそれに甘えて話したりしてると、だんだんT氏に対する感情が
イライラ、ムカムカと段々大きくなってきた。
M氏は多分俺の気持ちを読んで言葉を言ったと思うんだ
「でもさ、J@にそんな事したらさ、T氏には痛いしっぺ返し行くだろうなっ」
M氏は何でか知らないけど、そういう感じで俺をかってくれてるみたいでね
そう言った。
俺もムカムカが治まらなくて
「ああ、絶対に許さねぇ、それこそそのうちじゃなくて 今すぐにでもな」
自分で言って自分で何かを練り上げてる感じが凄いしてた。
でも感情が止まらなくてさ、言っちゃったんだよね。
『 言っちゃったんだよね 』で、済まない事を言っちゃたんだよね。
【 悪意を持って、念を込めて、言葉を発し 】 ちゃったんだよね。
「ああ… そうだ、T氏に直接災難が降りかかるのは面白くねぇ!
どうせなら、T氏の家族とか大事な人に災難降りかかれよっ!」
って、言葉を発した。
M氏も、おお、J@も考える事がエグいよな、的な返答してたと思う。
んで、その結果、どうなったと思う?
その言葉を発してから大体15分位かな、寮の館内放送でT氏が呼ばれた。
『 T君、T君、電話が入っています、寮母室の前まで来てください 』
M氏と俺は、ちょっと嫌な感じもして目線を合わせた。
M氏が気を利かせて
「俺、ちょっと下行って盗み聞きしてくるわ」
って部屋から出て行った。
俺は、今? このタイミングで? いや、まさかそんな馬鹿な… って。
酒飲みながら思ってたよ。
しばらくしてM氏が戻って来て
「J@、あのな、T氏のオヤジさん、突然心筋梗塞で今さっき亡くなったってよ」
俺は、ああ、やっぱりか、そう思った。
M氏もそこからは口数少なくなって、2人で静かに酒を飲んだ。
多分俺は・・・
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