お墓での肝試し、止めた方がいいよ?
寮のすぐ隣、かなりデカい霊園って言ったじゃん?
夏って言ったら、やっぱやるよねー肝試し。
いやー、ほんとバカだったわ。
元はと言えば言い出しっぺはN氏だったかS氏だったか忘れたケド
「なぁー、ヒマだし肝試し行こうぜー! 隣の霊園に」
的なノリだったと思う。
それも7日間連続肝試しとかいう頭の悪い感じで。
俺は絶対にやめた方がいいって思ったけど、まあやるよね。
最初はよかったんだ、いや、良くはないけど、大丈夫だったんだ。
問題は最終日。
肝止めしの参加人数は7人。
月は煌々と明るく輝いて、空はすんごい明るい。
なのになんで墓地はこんなに暗い??
昨日までは月明かりで見えてたはずの霊園内が暗くてよく見えない。
俺は多少の霊感はあるかなーと思ってた
視えはしないけど、気配は分かるみたいな。
U氏も俺と似た様な感知系能力持っててさ、
でも俺よりかなり強い感知能力だった。
霊園内に入ってはみたものの、なーんか雰囲気がおかしい。
U氏も俺と同じ感想を持ったらしく怪訝そうな顔。
N氏とS氏は、よーっし行くぞーみたいな感じだった。
何か変な耳鳴りもしてくるし、肌の感覚は悪寒を訴えかけて来るし
鳥肌の産毛もヤバイヨ、ヤバイヨ訴えかけて来るし
これはーアレだ、ダメなやつだ
そう判断した俺はU氏と話して、N氏とS氏に今日を諦めさせた。
墓地を手前にUターンして霊園から寮に帰る事になった。
今この場所から霊園の外に出るまでは結構距離がある。
何となくみんな、なんか変だな? 気持ち悪いなって思ってたんかな?
何気なしに会話をしながら歩き出した。
7人の配置はこんな感じ
S氏 I氏 F氏 T氏
J@ N氏 U氏
前4人、後ろ3人。
前4人がしゃべり出したから、なんか俺も話してないと気味悪くなって
気配が濃い方に話しかけたんだよね。
俺( J@ )の左後ろに向かって「なぁ」って。
自分ですっごいバカな事やらかしたーと思ったよ。
だって初めからそこに誰も居ない事分かってたのに、
思わず気配がするから話しかけちゃったとか、バカでしょ?
んで、あっ!コレヤッベ! って思って
何でか咄嗟にU氏に顔を向けたんだ。
ぶっちゃけこれも失敗したと思った。
だって、U氏
俺と同じタイミングで俺が話かけた方を指差して固まっとるやんけ…
んで顔引き攣らせたU氏と俺、同時に
「やべぇぇぇーーーっ!!!」
ってダッシュもダッシュ、猛ダッシュかけたもんだから
リーゼントパーマのN氏も焦って俺を追っかけてくるし
前に並んでた4人も、何!? 何!? 何が起こった!? って
みんなで猛ダッシュすることになった。
見えないって怖いんだよ。
気配は強烈にそこにあるのに、何だか分からないってのが。
んでも俺が感じた気配は2つだった。
寮についてからU氏に聞いたら3人だったって。
いやー、霊的なものもヤベェけどさ、U氏もヤベェよ。
次の日の朝だったかな、F氏の部屋から悲鳴が上がったの。
なんでも、起きたら手首と足首に?
長い髪の毛が巻き付いてたとか?
そんな事言ってた。
俺的にはそれはでっち上げだと思ってる。
いや信じたくないってのが8割かな。
F氏はその後まもなくして退寮してアパート借りたな、そう言えば。
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