2025年1月2日。にゃんこ支離滅裂7
山の上に作られていた闘技場。それはまるでヘリポートのようである。僕は降りた背中から。「ここが闘技場か」『来た事にゃいのか?』「ないな。世界一になったのは。今年が初めてだというか自分が世界一だと言う明確な基準がある大会はない。確かに全ての大会で優勝はした。しかしそれが世界一という保証はない。なぜならば全人類が参加する格闘技大会など存在しないからだ。どこか未開の地に自分より強い奴が参加していないだけで存在していると俺はずっと思っていた。しかし電車があらわれた事で自分が真の世界一の格闘チャンピオンだという保証は出来た」『にゃるほど。しかし驚かにゃかったのか?』「驚かなかったのかと言われたらうそになる。が、その存在、この闘技場の存在は知っていた。それは古いで伝記に記されているだけでなく、格闘王と呼ばれた者は一様にこの闘技場の存在を口にするからだだから驚きはしなかった」『にゃるほど』そしてそんな話をしていた時、かなた先に人影が見えた。そしてその人影はこちらへと近づいて来るように影が大きくなった。「誰か来るな。油断するなよ。猫」『にゃん』僕は格闘王にそう答えた。やがて人影が見えて姿がシルエットじゃなくてはっきり見えるようになると僕は驚いた。それは今まで見たどんな人間よりも違っていたからだ。男でも女でもない。子供でも大人でも老人でもない。それは目がアーモンドの形をしていた。「ほう。宇宙人のぐれいそっくりだ」『ぐれい?』「ああ、地球人がイメージする宇宙人だな。前はタコだったらしいが、今はこの感じだ」「ようこそ。私はこの闘技場の支配人です。ちなみにその通り、私は宇宙人です。よろしくっ!」『ずいぶんフレンドリーにゃ』「ふんっ、言葉で仕草で騙されるなよ。人間はにこにこしている奴は裏の顔を持っている場合がある」『羊の皮を被ったオオカミにゃ』「よく知っているな。まあこいつがそうとは言えない。そもそもにこにこはしていないが、人当たりが良い。良すぎる。それは十分に注意するに値する」「申し訳ありません。警戒させるつもりは毛頭ありません。そもそも毛がありまえんから。なんちゃって」「ほう、ダジャレを言っていう事で、警戒心を解くという作戦か。しかし俺は引っかからない」『僕もにゃ』「え……えーと。私の事はどう思っても構いませんが、闘技場に来られたという事で、この闘技場を案内したいと思います」「ほうっ、どこかへ連れて行って罠にはめる気だな。しかしいかざるを得ないだろう。闘技場で戦うためにここへきたのだからな」『そうにゃ。警戒心を高めつつも大会には参加するにゃ。そして早くここから出るにゃ』「俺の目標は優勝だ。すぐには出られないが、我慢してくれ」『わ、分かったにゃ。我慢するにゃ。でも優勝賞品はあるにゃ?』「あります。では詳しい説明は中で」そう言って宇宙人顔の案内人は僕達を闘技場控室へと案内し始めた。「申し遅れました。私の名前は愚礼です」僕達は愚礼を無視して後を着いていった。「か、悲しい。無視された。悲しい」愚礼のその後ろ姿は泣いていた。
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