2025年1月1日。にゃんこ支離滅裂3

案内された場所はどこかのお店。があると思われるビルの三階にあった。しかし僕はそのお店に入る前に既に何となく予感めいたものを感じていた。動物の臭い。いやにゃんこの臭いがするのだ。匂いではない方の臭い(におい)つまり僕は猫でありながら猫が嫌いであった。しかしながら働くとなると働けるとなるとそれはまた別の話になる。何故ならば食と住が揃っているからだ。衣の方は猫の毛が衣だから大丈夫だ、と思っていたら中にはコスプレ猫がたくさんいて度肝をにゅかれた。まずお店の中に入って挨拶をする。「にゃあ」ガン無視だ。しかし僕は一匹狼的な猫なのである。無視は慣れている。虫も慣れている。やがて僕はサンタコスプレお姉さんお兄さんどちらか未だ性別が不明だかに案内されて久しぶりの体を洗った。久しぶりというのは水浴びをした以来であるが汚れはシャンプーとやらでものの見事に綺麗さっぱりして、すっきりしたのである。猫の種類は分からないが僕と同じような感じは見たところ見当たらなかった。がしかしそれでもやはり好きではないが同じ猫というだけで安心した気持ちになったのは事実ではある。そして僕がこれから何をするのかという事に関して言えばまだ何も知らされていないのである。「今日から君はここで猫カフェで働いてもらうよ」猫カフェ。それは一体何なんだろうか。分からないが説明受ける事になった。なるほど人間に撫でられたり色々するカフェなのか。普通に猫としてここで生きていれば良いのだろうろな。それはそれで魅力的な仕事ではあった。報酬はご飯と住処。よし、今日から僕はここで働くのだ。働き始めてから僕は人間についての観察をしつつも甘えるという能力を獲得したが、それは本能的でもあり策略的でもある。僕はそろそろここからいつしか出たいと思っていた。人間に撫でられる、監視されるだけの毎日、同僚の猫は僕に相変わらず何の感情も抱いていないし、僕も抱いていない、それはそれで当然居心地は悪くはないのだが、僕以外の猫はそこそこに仲が良いい。そして僕はここで孤立している。一匹狼猫の僕からしたらそれは別にいいのだが、この空間の中は狭いし閉鎖的であるその中で人間に監視される中で監視カメラがある中でのそれは僕にとってやがて苦痛と変わりつつあった。「にゃんだかなあ」僕はそういつしか呟いていたのであった。

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