第2章:記述士の鉄則

第1節:観察者としての心得

記述部鉄則第一条:

『物語に共感すべきではない。

理解しようとすべきではない。

ただ、凍結することのみを考えよ』


 この鉄則は、記述士の在り方そのものを規定する根本原則である。


【解説】

 物語への共感は、以下の危険性をもたらす:


1. 客観性の喪失

- 感情的な判断による誤った評価

- 物語との不適切な同調

- 観測データの信頼性低下


2. SOLARISとの共鳴

- 記述士自身のSOLARISの活性化

- 物語との意図せぬ同期

- 制御不能な相互作用の発生


3. 凍結能力の減退

- 判断力の鈍化

- 躊躇いによる対応の遅れ

- 不完全な凍結処理


 記述士は、いかなる場合も感情を交えることなく、純粋な観察者としての立場を保持しなければならない。

 物語を「理解」しようとする衝動すら、排除すべき危険要素として認識せよ。

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