第3節:記述士の役割と責務
記述士は、SOLARISの観測と制御を担う特殊な技能者である。
その役割は以下の3点に集約される:
1. 観測
- SOLARISの状態を常時監視
- 物語の性質を客観的に分析
- 有害性の評価と判定
- 異常の早期発見
2. 記録
- 観測結果の正確な記述
- 物語の構造分析
- トリガーの特定と記録
- アーカイブの作成・管理
3. 制御
- 有害なSOLARIS(以下、VOLTEXと呼称)の凍結
- VOLTEXの無力化
- 影響範囲の特定と封じ込め
- 必要に応じた改訂処置
記述士に課せられる最も重要な責務は、「観察者としての立場を維持すること」である。物語に共感せず、理解しようとせず、ただ凍結することのみを考えよ―これは記述士の鉄則である。
なぜなら、物語への共感は記述士自身のSOLARISを活性化させ、観測対象との間に望ましくない共鳴を引き起こす可能性があるためだ。
記述士は、己の感情を完全に制御し、冷徹な観察者として物語と向き合わなければならない。
それこそが、現実世界の安定を守る唯一の道なのである。
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