第2節:感情の制御

記述部鉄則第二条:

『物語に向き合う時、

感情も、思索も、

対象から目を曇らせる毒となる。

本質を見極める目には、

ただ観察者としての距離のみが、

凍結の道を示す』


【解説】

 感情の制御は、以下の三段階で実施される:


1. 認識

- 自身の感情状態の把握

- 共感や理解への衝動の察知

- 感情的反応の兆候を監視


2. 遮断

- 感情の即時的な抑制

- 思考の客観性維持

- 物語との心理的距離の確保


3. 昇華

- 感情を観測データへと変換

- 主観を排した記録化

- 客観的な分析への転化


感情制御の具体的手法:


■ 呼吸法

- 定期的な深呼吸

- 一定のリズムの維持

- 意識の客観化


■ 視点の固定

- 観察者としての立ち位置の保持

- 分析的視座の維持

- 感情移入の回避


■ 言語化の制限

- 必要最小限の記述

- 感情的表現の排除

- 客観的な語彙の選択


 記述士は、これらの技法を習得し、常に実践することが求められる。

 感情の制御なくして、正確な観測は成立しない。

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